ワインの聖書

葡萄酒という神の雫への巡礼。家の飲みホームワイン。孤高のワインを届けます。

柿ワイン〜ひと夏のファンタジアが料理を召喚する

柿ワイン〜山本本家

  • 生産者(ドメーヌ):山本本家
  • 国:日本
  • 生産地(テロワール):奈良(五條)
  • 年代(ヴィンテージ):NV(なし)
  • 品種:富有柿100%
  • 栓:スクリューキャップ
  • 熟成:記載なし
  • アルコール度数:12%
  • 飲み頃の温度:8℃
  • 楽天価格:税込700円(300m)

令和5年2月から発売された大和ワインのニューフェイス。ふるさと贔屓ではなくマジで名酒。これほどフードフレンドリーなワインも珍しいほど色んな料理に合う。料理を召喚するワイン。

生産者(ドメーヌ)

奈良県五條市にある株式会社山本本家。昭和26年創業。

生産地(テロワール

ジャイアンツの岡本和真の出身地である奈良県五條市林業が盛んな山深い土地。水はけが良く、昼夜の寒暖差がある急峻。紅葉の季節が訪れる頃、多くの柿畑がある五條市の山々は鮮やかな「柿色」に染まる。映画『ひと夏のファンタジア』でも五條市と柿が出てくる。

葡萄(セパージュ)

生産量の80%を占めている「富有柿」を使用。柿の王様と呼ばれる。製造方法は、葡萄のワインとほぼ同じ。原料は砂糖と少しの水の添加以外は「富有柿」100%から造られる。ブドウを使わなくても「ワイン」になる不思議。飛鳥人は細かいこと気にしない。

エチケット(ラベル)

「大和五條のおいしい柿ワイン」と刻字している時点で優勝。岡本和真がWBCの決勝で放ったホームラン級に見事なエチケット。

味わい

柿感はそれほどないが、甘さがちょうど柿に似ている。千利休が「お菓子は柿の甘さを超えてはいけない」と言った甘さの聖域を保っている。ワイン単位で飲むとオレンジワインのような心地いい苦味。料理と合わせるとロゼワインのように何でも合わせる。ロゼとオレンジの良いところどりの奇跡の柿ワイン。

料理とのマリアージュ

柿ワイン〜山本本家

最高のマリアージュは素麺。奈良=三輪そうめん。ソウルワインとソウルフードの結婚式。口に残る甘味を洗い流し、気を引き締める。大和平野の春のあけぼのが終わり、厳しい盆地の猛暑がやってくる季節の移り目を感じさせる葛城おろしの初夏のマリアージュ

柿ワイン〜山本本家

次に良かったのはポテトサラダ。ポテサラのマヨネーズなどの甘さを柿ワインの渋味が調和する。ワインと合わせにくいカニカマも同様。マリアージュとはいかないが最高のセッション。堂本剛城島茂をバックコーラスに史上最高の一発屋にして生駒市出身の三木道三が「Lifetime Respect」を歌うマリアージュ。合わない料理はないんじゃないかというくらい最強のフードフレンドリーの名酒。村田諒太がミドル級で世界チャンピオンになったのと同じくらい奈良の快挙。