ワインの聖書

葡萄酒という神の雫への巡礼。家の飲みホームワイン。孤高のワインを届けます。

「黄桜 京都麦酒 ブラウンエール」〜秋風のあとから、キャラメルがやってくる

「黄桜 京都麦酒 ブラウンエール」〜秋風のあとから、キャラメルがやってくる

  • 国:日本(京都)
  • 種類:アルト
  • アルコール:5.0 %
  • 原材料:麦芽、ホップ

「黄桜 京都麦酒 ブラウンエール」は、1995年、京都初の地ビールとして誕生した「京都麦酒」シリーズのひとつ。全国でも7番目という、地ビール黎明期から歩み続けてきた一本である。

その赤は、朱塗りの鳥居、紅葉、時代祭の装束。京都という街に古くから存在してきた「赤」を連想させる。

造り手は、日本酒で知られる黄桜。清酒造りで培った醸造技術を生かし、日本酒の仕込みにも使われる京都・伏見の名水「伏水」で醸している。

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京都駅の土産物店などでは、「ペールエール」「ゴールドエール」とともに3本セットでも販売されている。京都の名所を写真に収めて持ち帰るのもいい。旅の記憶を酒にして持ち帰るのもいい。三本並べれば、京都の季節を詰めた小さな酒蔵になる。

アルトは、ドイツ・デュッセルドルフ地方に伝わる赤銅色のビール。ドイツ語で「古い」を意味する「Alt」の名の通り、ラガーが主流となる以前から続く上面発酵の伝統的な製法で造られる。華やかなフルーティーさを前へ出すのではなく、麦芽の甘み、香ばしさ、ホップの苦味を静かに重ねる。

新しさを競わない。古いものを、古いまま残すのでもない。受け継いできたものを、今の一杯として飲ませる。その姿勢は、どこか京都そのものにも似ている。

味わい

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グラスに注げば、赤銅色。夕陽を受けた寺院の柱のような、温かみのある褐色が浮かぶ。

口に含むと、ホップの苦味が、細い線を引く。秋の夕暮れに吹く風のように、頬を撫でて通り過ぎる程度の苦味。そのあとから麦芽由来のキャラメルを思わせる甘みが現れる。苦い。甘い。どちらも前へ出すぎない。鉦や太鼓、笛の音が、それぞれ別の音色を持ちながら、一つの行列になって都大路を進んでいく。

かなり美味しい。濃色ビールの見た目から想像するほど重たくなく、モルトのコクを残しながら、飲み口にはきちんと余白がある。

華やかな春ではなく、少し乾いた風が吹き始める京都の秋。平安から明治へ、さまざまな時代の装束をまとった人々が静かに行列する「時代祭」のように、苦味、香ばしさ、甘みが順番に舌の上を通り過ぎていく。京都の秋を赤銅色にしてグラスへ注いだようなビールである。

料理とのペアリング

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黄桜公式のおすすめは、餃子、冷奴、串カツ。

このビールは単体で主役になるというより、食卓に入った瞬間に力を発揮する。

冷奴:◎

淡い豆腐を、ブラウンエールのモルト感がふわりと包む。最初はビール。次に豆腐の柔らかな甘み。そして最後に醤油の香りが追いかけてくる。白い豆腐の静けさに、赤銅色のビールがそっと羽織を掛ける。穏やかだが、相性はかなりいい。

餃子:○

餃子の脂が入ることで、ビールの苦味が少し鮮明になる。しかし、濃すぎない。焼き目の香ばしさと麦芽の香ばしさが重なり、むしろ苦味が心地よく感じられる。

餃子を食べる。ビールを飲む。また餃子へ戻る。箸とグラスが、自然に往復する組み合わせだ。

焼きそば:○

こちらも餃子と同じく、料理の油とソースによってビールの苦味が輪郭を増す。甘辛いソースのあとに赤銅色の液体を流し込むと、甘さを一度断ち切ってくれる。それでいて、モルトの甘みまで消えない。焼きそばの庶民的な力強さと、ブラウンエールの香ばしさ。秋祭りの屋台で出会ったような、気取らない相性である。

醸造所(ブルワリー)

黄桜株式会社は、京都府京都市伏見区横大路に本社を置く酒造メーカー。1925年(大正14年)、伏見の蔵元「澤屋」(現・松本酒造)から分家する形で創業した。スローガンは「くつろぎ、うるおい、かがやく。」

かつては河童をキャラクターにしたテレビCMでも広く知られた。

宝酒造の「松竹梅」や月桂冠と並び、京都・伏見を代表する全国的な酒造メーカーのひとつ。伏見は、兵庫の灘、広島の西条と並ぶ「日本三大酒処」として知られている。

社名の「黄桜」は、当時の社長が黄桜の花を好んでいたことに由来する。黄桜とは、淡い緑色を帯びた白い花を咲かせるサトザクラの一種である。

伏見の酒造りを支えてきたのが、良質な地下水「伏水」。ミネラル分をほどよく含む中硬水で、発酵がゆるやかに進むため、口当たりがやわらかく、ほのかな甘みを感じさせる酒に仕上がりやすい。ミネラル分の多い硬水を使い、発酵が力強く進むことで辛口に仕上がる灘の「男酒」に対し、伏見の酒は古くから「女酒」と呼ばれてきた。

黄桜は日本酒だけでなく、ビール造りにも力を入れている。その完成度は高く、日本酒メーカーが造る“もうひとつの酒”という枠に収まらない存在感を放っている。

ギネスビール〜黒の宵闇に、白い泡が明ける

ギネス〜黒の宵闇に、白い泡が明ける

  • 国:アイルランド
  • 種類:スタウト
  • アルコール:4.5 %(瓶は5.0%)
  • 原材料:麦芽、ホップ、大麦

ギネス(GUINNESS)は、1759年にアイルランドで誕生した、世界を代表する黒ビール。焙煎した大麦が生み出すコーヒーのような香ばしさ、きめ細かくクリーミーな泡、そして黒ビールとは思えないほどなめらかな口当たりが特徴だ。日本ではキリンビールが販売している。

日本ではビール以上に「ギネス世界記録」で知られる『ギネスブック』の名前が有名。もともとはギネス社が生み出したものだが、現在は醸造事業から独立している。

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ギネスの歴史は、創業者アーサー・ギネスが1759年、アイルランド・ダブリンのセント・ジェームズ・ゲート醸造所を借り受けたことから始まった。

原料は、水、大麦麦芽、ホップ、醸造用イースト。大麦の一部を強く焙煎することで、ギネス特有の漆黒の色と、コーヒーやカカオを思わせる香ばしい味わいを生み出している。大麦はアイルランド産を使用し、水にもこだわって造られる。

ギネスは「待って飲む」ビール

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ギネス最大の見せ場は、グラスに注いでから始まる。注いだ直後、大量の細かな泡が生まれ、黒い液体の中を波打つように動いていく。泡と液体が美しいグラデーションを描きながら、やがて上部に真っ白な泡の層をつくる。この独特の現象が「カスケードショー」だ。

泡と液体が落ち着くまで、しばらく待つ。ギネスを飲む時間には、この“待つ楽しみ”まで含まれている。だからこそ、ギネスは缶や瓶から直接飲むより、グラスに注いで完成するビールである。

「スタウト」とは何か

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ギネスは「スタウト」、より正確には「ドライスタウト」または「アイリッシュスタウト」に分類される。

「stout」とは本来、「頑丈な」「どっしりした」といった意味を持つ英語。ビールでは、ローストした麦芽や大麦を使った濃色で香ばしいスタイルを指す。

ドライスタウトは、カラメルを思わせるほのかな甘い香りに、強く焙煎した大麦のドライな苦味が重なる。見た目は濃厚だが、実際の飲み口は意外なほど軽快。そこへ、ギネスならではのクリーミーな泡が重なり、黒ビール特有の香ばしさを柔らかく包み込む。

缶と瓶で、ギネスは別の顔を見せる

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ギネスは、缶と瓶でアルコール度数も味わいも少し異なる。

1986年から発売された缶の「ドラフトギネス」は、アルコール度数4.5%。最大の特徴は、なめらかな喉ごしとクリーミーな泡だ。缶の中には「フローティング・ウィジェット」と呼ばれる小さな球体が入っている。缶を振るとカラカラと音がするのは、このウィジェットのため。開栓すると内部のガスが働き、パブで注いだドラフトギネスのような、きめ細かな泡を家庭でも再現してくれる。

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一方、瓶の「ギネス オリジナル エクストラスタウト」はアルコール度数5.0%。ドラフトギネスよりもしっかりした苦味と重厚なコクがあり、ギネス本来の力強くクラシックな味わいを楽しめる。

同じギネスでも、缶は「泡となめらかさ」、瓶は「苦味とコク」。気分によって飲み分けるのも面白い。

漫画にも登場するギネス

ギネスは、毎晩必ず奇跡が起こるビール専門バー「BEER CAT」を舞台にした漫画『ビールの時間』VOL.1「ドラフトギネス」でも紹介されている。

漫画『バーテンダー』第11話「クリスマスの奇跡」には、さらに洒落た飲み方が登場する。

瓶のギネスとモエ・エ・シャンドンのシャンパーニュを同量、同時にグラスへ注ぐカクテル「ブラック・ベルベット」だ。黒いスタウトと黄金色のシャンパーニュ。庶民的なパブの酒と華やかな祝杯がひとつのグラスで交わる。ギネスという酒の懐の深さを感じさせるカクテルである。

新宿「バガボンド」の憶い出

新宿「バガボンド」

新宿駅西口から徒歩2分。1976年創業の老舗バー&居酒屋「バガボンド」が名物のひとつとしているのが、ギネスビールだ。

新宿「バガボンド」

店内は、1910年代のパリが最も華やいだベル・エポック(美しき時代)を思わせる雰囲気。新宿を離れて奈良へ帰郷する前の2025年4月11日、前職の仲間4人で集まった。会社を卒業して以来、2年半ぶりの再会だった。

早稲田のオフィスで働いていた頃、緊急事態宣言によって街の灯が消えた。それでも俺たちは飲んだ。

近くのスーパーで酒とつまみを買い込み、多い月には9回も飲み明かした。朝まで語り、そのまま出社する。今思えば無茶な日々だった。

けれど、あの時間が今の自分を支えている。思い出とは、過去形ではなく未来形だ。

オフィスでの飲み会でも、話題の多くは仕事だった。どうすれば会社が良くなるのか。どうすれば仲間たちと笑って働けるのか。酒を飲みながら、本気で議論した。

新宿「バガボンド」

当時はまだビールが苦手だった。それでも、この日のギネスはするりと喉を通った。

ガムシャラに走り抜けた仲間と酌み交わす一杯は、やはり格別だった。黒い液体と白い泡を眺めていると、あの頃の会話までグラスの中から浮かび上がってくる。

ギネスの苦味には、少しだけ人生の味がする。

味わい

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まず感じるのは、清涼感。よく冷えたアイスコーヒーを口にしたようだ。香ばしい。冷たい。そして、すっきりしている。その直後、ロースト麦芽の苦味がゆっくり後ろから追いかけてくる。

最初から苦味で押してこない。一拍遅れてやってくる。遠くで鳴った鐘の音が、少し遅れて街へ届くような苦味だ。ドラフトギネスは、そのすべてをクリーミーな泡が丸く包む。舌の上を黒い液体が滑るのに、不思議なほど重たくない。

瓶になると、さらに輪郭が濃くなる。アルコール感が少し増し、コーヒーを思わせる焙煎香も強くなる。缶が「クリーミーな黒」なら、瓶は「香ばしい黒」。同じギネスという名の兄弟でも、表情は違う。

ギネスには250年以上の歴史がある。けれど、歴史を背負って威張らない。

ひとりで静かに飲んでもいい。仲間との再会に飲んでもいい。過ぎ去った時間を思い出しながら飲んでもいい。白い泡がゆっくり落ち着き、黒い液体が姿を現す。

人生にも、すぐに答えを出さなくていい時間がある。二分くらい待てばいい。やがて濁っていたものが静まり、黒と白が、美しく分かれていく。

料理とのベアリング

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フィッシュ&チップス:◎

これは王道にして最高。揚げ物の油を、ギネスのローストした苦味がすっと切る。ポテトの甘みを受け止め、次の一口へ舌を整える。とりわけアジフライのような魚のフライとは抜群だ。衣の油が入った直後にギネスを流し込む。すると、ビールの喉越しそのものが一段速くなる。油と苦味が追いかけっこをして、最後には泡だけが残る。

ソーセージ:⚪︎

脂をきれいに洗い流す。ソーセージの塩気と肉汁を、ギネスの焙煎香が受け止める。肉の旨味は残し、脂だけをさらっていく。何杯でも飲めてしまう理由がよくわかる。

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カルボナーラ:◎

意外に思えるが、これも相性最高。濃厚なカルボナーラの甘みとコクに、ギネスのコーヒーを思わせる香ばしさが重なる。チーズの甘みの向こうからロースト香が現れ、皿全体を少し大人にする。白いソースに、黒い影を落とすマリアージュ。

カレー:○

スパイスの熱と、ギネスの苦味。どちらも強い。だが、ぶつからない。カレーの辛味が舌に残ったところへギネスを入れると、ロースト麦芽のキレが輪郭を整える。辛さを消すのではなく、次の一口へ切り替える。

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ローストビーフ:△

甘みのあるタレと黒ビールの苦味が好相性。肉そのものよりも、むしろソースとの相性がいい。甘いタレをギネスの苦味が締めることで、ローストビーフが少し精悍な表情になる。

黄桜 京都麦酒 ペールエール〜葵祭のように雅で、春風のように消えていく

黄桜 京都麦酒 ペールエール〜葵祭のように雅で、春風のように消えていく

  • 国:日本(京都)
  • 種類:ペールエール
  • アルコール:5.0 %
  • 原材料:麦芽、ホップ

「黄桜 京都麦酒 ペールエール」は、1995年、京都初の地ビールとして誕生した「京都麦酒」シリーズのひとつ。全国でも7番目という、地ビール黎明期から続く一本である。

造り手は、日本酒で知られる黄桜。清酒メーカーとして培ってきた醸造技術を生かし、日本酒の仕込みにも使われる京都・伏見の名水「伏水」を使って醸している。

伏見の水、鴨川の流れ、五月の青空。京都の「水」と「風」を色にしたような缶である。

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ペールエールは、18世紀のイギリスで生まれた上面発酵の淡色ビール。「ペール」は「淡い色」を意味し、麦芽のコクとホップ由来の爽やかな香り、苦味のバランスを楽しむスタイルである。

「京都麦酒 ペールエール」にも、その特徴が素直に表れている。麦芽の厚みが苦味を受け止め、そこへ伏水の柔らかさが一本の川を通す。苦味とコクがありながら、最後まで重たくならない。

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京都駅の土産物店などでは、「ゴールドエール」「ブラウンエール」とともに3本セットでも販売されており、京都を飲んで持ち帰る土産としても面白い。

漫画『琥珀の夢で酔いましょう』にも登場

「黄桜 京都麦酒 ケルシュ(瓶ビール)」は、京都を舞台にしたクラフトビール漫画『琥珀の夢で酔いましょう』第9話「Come and Get Your Life side:B」に登場する。

主人公・剣崎七菜は、大人気女優・MAKOTOとの休日デートで、パンとビールを買ってピクニックへ。京都御所のベンチに腰掛け、明太子パン、トマトと生バジルのパン、クリームチーズとラムレーズンのパンを「京都麦酒 ケルシュ」と合わせる。

明太子パンでは、「明太子そのものより、パンのふくよかさとビールの柔らかさがマッチする」と評価。トマトと生バジルのパンは、「ケルシュと合わせることでフレッシュな風味が生き生きする」、クリームチーズとラムレーズンのパンでは、「ケルシュがチーズの酸味を引き立てる」と、それぞれの相性を紹介している。

味わい

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一口目から、しっかりとした苦味がやってくる。その後ろには麦芽のコクがある。ところが、余韻は意外なほど短い。深い苦味を残して居座るのではなく、喉を通過した瞬間、風にさらわれるようにスーッと消えていく。

たとえるなら、葵祭の行列だ。鮮やかな装束をまとった人々が京都御所からゆっくりと進んでいく。華やかだが、祇園祭のような熱狂ではない。雅で、静かで、どこか涼しい。行列が通り過ぎたあとには、春の風だけが残る。

ホップの苦味には芯があり、麦芽には確かなコクがある。それなのに、飲み終えたあとには重さを残さない。春の京都を吹き抜ける風のようなペールエールである。

そして、この短い余韻こそが、料理と合わせたときに大きな武器になる。

単体で完成しすぎない。料理が隣に座る余白を、きちんと残している。

料理とのペアリング

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黄桜公式のおすすめは、春巻き、エビチリ、鰹のカルパッチョ、ホタテの刺身。実際に飲んでみても、このビールは料理を連れてきたときに本領を発揮する。

ピザパン:◎

トマトの酸味とチーズのコクを受け止めると、強かったビールの苦味が不思議なほど丸くなる。反対に、トマトは酸っぱさより甘みを見せ始める。それぞれが一歩ずつ譲ることで、初めて見える景色がある。ビールがピザパンを美味しくし、ピザパンがビールを優しくする。放課後のパン屋で買ったピザパンが、京都のカフェの一皿へ変わるような組み合わせだ。

エビチリ:◎

これは納得のペアリング。海老の甘み、油、そしてチリソースの甘辛さ。その濃い味をペールエールの苦味が正面から受け止める。だが、洗い流すだけではない。甘辛いソースとホップの苦味が一瞬重なり、ひとつの味になったあと、炭酸とともに喉の奥へ消えていく。口の中には何も重さを残さない。次の海老が欲しくなる。次のビールも欲しくなる。赤いエビチリと青い京都麦酒。色は正反対なのに、口の中では見事に同じ歩幅で進んでいく。

春巻き:○

主役は完全にビールだ。春巻きの繊細な味わいでは、ペールエールの苦味を押し返すことはできない。パリッとした皮の香ばしさと、野菜や餡のほのかな甘みが、ビールの背中をそっと押す。春巻きを食べたあとに飲めば、その甘みを拾いながら苦味が立ち上がり、最後はすっと消えていく。

マリアージュというより、春巻きがビールへ花道をつくる組み合わせである。

醸造所(ブルワリー)

黄桜株式会社は、京都府京都市伏見区横大路に本社を置く酒造メーカー。1925年(大正14年)、伏見の蔵元「澤屋」(現・松本酒造)から分家する形で創業した。スローガンは「くつろぎ、うるおい、かがやく。」

かつては河童をキャラクターにしたテレビCMでも広く知られた。

宝酒造の「松竹梅」や月桂冠と並び、京都・伏見を代表する全国的な酒造メーカーのひとつ。伏見は、兵庫の灘、広島の西条と並ぶ「日本三大酒処」として知られている。

社名の「黄桜」は、当時の社長が黄桜の花を好んでいたことに由来する。黄桜とは、淡い緑色を帯びた白い花を咲かせるサトザクラの一種である。

伏見の酒造りを支えてきたのが、良質な地下水「伏水」。ミネラル分をほどよく含む中硬水で、発酵がゆるやかに進むため、口当たりがやわらかく、ほのかな甘みを感じさせる酒に仕上がりやすい。ミネラル分の多い硬水を使い、発酵が力強く進むことで辛口に仕上がる灘の「男酒」に対し、伏見の酒は古くから「女酒」と呼ばれてきた。

黄桜は日本酒だけでなく、ビール造りにも力を入れている。その完成度は高く、日本酒メーカーが造る“もうひとつの酒”という枠に収まらない存在感を放っている。

「コナ ビッグウェーブ ゴールデンエール」一口でワイキキへ、ハワイの空と海と太陽を溶かした、“飲む夏休み”

「コナ ビッグウェーブ ゴールデンエール」

  • 国:ハワイ(アメリカ)
  • 種類:ゴールデンエール
  • アルコール:4.5 %
  • カロリー:132kcal(瓶)
  • 原材料:麦芽、ホップ

「コナ ビッグウェーブ ゴールデンエール」は、ハワイを代表するクラフトビールのひとつ。泡の白は砂浜へ打ち寄せる波、液体を満たす金色は水平線から昇る朝日。ハワイの太陽を、そのままグラスの中へ溶かしたような色をしている。

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エールタイプでありながら重たさはなく、南国らしいフルーティーな香りと、やわらかな甘みが特徴。ホップには「ギャラクシー」「シトラ」を使用し、トロピカルフルーツや柑橘を思わせる華やかなアロマが広がる。苦味は控えめで、後味は驚くほどすっきり。香りを楽しむエールの魅力と、ラガーのようにゴクゴク飲める爽快感を両立した、まさに常夏のビールだ。

「コナ ビッグウェーブ ゴールデンエール」

「ビッグウェーブ」の缶には、オアフ島西海岸にあるサーフィンの名所「マカハ」の大波が描かれている。鮮やかなブルーの海、押し寄せる波、アウトリガーカヌー。缶を眺めているだけで、ハワイの潮風が吹いてくるようだ。一口飲めば、シャツのボタンをひとつ外したくなる。そんな自由が、この黄金色にはある。

漫画『琥珀の夢で酔いましょう』にも登場

「ビッグウェーブ ゴールデンエール」は、京都を舞台にしたクラフトビール漫画『琥珀の夢で酔いましょう』第4話「鴨川は淡いブルース」にも登場する。

物語の舞台は、祇園祭を控えた6月30日、夏越祓の夜。主人公たちは鴨川の橋の下に腰を下ろし、ビッグウェーブを開ける。

そこで語られるのが、「花のような香りがありながら、味わいはクリア。エールらしい柔らかさがあり、後味はキレる」という魅力だ。ラガービールに慣れた日本人にも親しみやすく、まさに「夏のエール」と呼びたくなる。

錦市場で買った漬物と合わせれば、塩気や発酵の旨味を受け止めながら、ビッグウェーブの柔らかさと爽やかさがさらに広がる。ハワイのビールが京都の夏と交差する、面白いマリアージュだ。

ホノルルマラソンの思い出

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「コナ ビッグウェーブ ゴールデンエール」を初めて飲んだのは、2017年12月だった。

ホノルルマラソンを走るためオアフ島を訪れ、到着初日に泊まったコテージで友人と乾杯した。

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翌朝、夜明けの海岸線を歩いた。空が少しずつ明るくなり、椰子の木の向こうから太陽が昇る。青い海と白い砂浜が朝日に染まっていく光景を眺めながら、「地上にも楽園はある」と思った。

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だから今でも、ビッグウェーブの青い缶を見ると、あの朝が戻ってくる。黄金色のビールの向こうに、朝焼けの海岸線と、どこまでも続くハワイの青い海が見える。ハワイの記憶まで一緒に栓を開ける酒である。

味わい

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最初にやってくるのは、レモンやグレープフルーツを思わせる柑橘の爽やかさ。そして、奥から白い花のようなフローラルな香りがふわりと立ち上がる。

味わいは軽快。麦芽の甘みはある。しかし、甘さに身体を預けようとした瞬間、ホップの穏やかな苦味が波のようにさらっていく。

甘い。爽やか。少し苦い。その三つが順番に現れるのではなく、南国の風のように一度に吹き抜ける。目を閉じれば、ワイキキの浜辺が見える。

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真っ青な空。海面に乱反射する太陽。沖から戻ってくるサーファー。椰子の葉を揺らす風。そして、どこからともなく聞こえるウクレレ。

喉を通過したあとには、何かを強く主張する余韻ではなく、「もう一口飲みたい」という爽やかな空白だけが残る。その空白こそ、ビッグウェーブの美味しさ。

これは、ハワイの空と海と太陽を溶かした、「飲む夏休み」である。

料理とのベアリング

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  • ポキ丼:少し甘めのタレをビールの爽やかな苦味が音楽をセッションする
  • 漬物:漬物の酸味をビールの苦味で包容しケンカしない
  • コロッケ:油を綺麗に流し、さっぱりする

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最も素晴らしかったのが、ハワイ料理のポキ丼

マグロとアボカドに絡む、少し甘めのタレ。その甘みが舌の上へ残ったところへビッグウェーブを流し込むと、ホップの爽やかな苦味が飛び込んでくる。

甘いタレと苦味が喧嘩するのではない。ジャズのセッション。ポキ丼がベースラインを刻み、ビールが高音のサックスを吹く。異なる音なのに、同じリズムへ乗っている。

魚の旨味を消すことなく、脂や甘さだけをきれいに流し、次の一口を呼び込む。海から生まれた料理と、海を感じさせるビール。ハワイの食卓が、そのまま完成するペアリングである。

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『琥珀の夢で酔いましょう』で合わせた漬物。漬物の塩味と酸味を、ビッグウェーブの苦味が大きな波のように受け止める。酸味を消すのではない。包み込む。

漬物を食べたあとに残る塩気を泡がさらりと洗い流し、麦芽の淡い甘みがあとから寄り添う。『琥珀の夢で酔いましょう』で京都の漬物と合わせた理由もよく分かる。

ハワイの海と京都の古都。まったく違う風景なのに、グラスの中では不思議なほど自然に握手する。

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揚げ物との相性もいい。熱々のコロッケを頬張れば、衣の香ばしさと油、ジャガイモの甘みが口いっぱいに広がる。そこへビッグウェーブ。泡が油をさらい、ホップの苦味が甘みを引き締める。重たかった口の中に、突然、海風が吹く。コロッケをもう一個。そして、ビールをもう一口。この往復運動が止まらなくなる。

醸造所(ブルワリー)

コナ・ブリューイング・カンパニー(KONA BREWING)は、1994年春、キャメロン・ヒーリーと息子のスプーン・カルーサによって、ハワイ島カイルア・コナで設立された。掲げたのは、ハワイの自然とアロハスピリットを映し出すビール造り。

常夏の島で気持ちよく飲めるよう、すっきりとした飲み口、控えめな苦味、柑橘や南国の果実を思わせるフルーティーな香りを大切にしている。

コナビールを象徴する言葉が「Liquid Aloha」。直訳すれば、「液体になったアロハ」。コナビールは単なるアルコール飲料ではなく、ハワイの海、風、太陽、自然、そして人々のアロハスピリットまで一本に詰め込もうとしている。

チェレット・モンソルド・ロッソ〜黒いボトルに眠る、あすかルビーの赤い光

  • 生産者(ドメーヌ):チェレット社
  • 国:イタリア
  • 生産地(テロワール):ピエモンテ州
  • 年代(ヴィンテージ):2022年
  • 品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラー
  • 栓:コルク
  • アルコール度数:14.5%
  • 飲み頃の温度:16℃
  • 合う料理:パスタ、生ハム、カレー
  • 販売価格:3000円台

「チェレット・モンソルド・ロッソ」は、イタリア北部・ピエモンテ州の名門チェレット社が手がける赤ワイン。主にフランス系の3種類の黒葡萄をブレンドした、ピエモンテでは異色の一本である。

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2022年ヴィンテージは、それぞれの品種を別々に発酵させ、300Lのフレンチオーク樽で熟成。新樽比率は40〜50%。瓶詰め前にブレンドすることで、果実味、スパイス感、樽由来のニュアンスを美しくまとめ上げている。

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このワインは、ワイン漫画『神の雫』に登場する。第六の使徒を探す場面で、1997年、2002年のヴィンテージが飲まれた。作中では、奈良・飛鳥のワインバー「スパッツィオ(宇宙)」で登場し、「箱根の寄せ木細工のような飽きない味わい」「造る人は代々替わっているはずなのに、風合いも魅力もずっと変わらないワイン」と表現された。

チェレット・モンソルド・ロッソ

2002年ヴィンテージは、ネッビオーロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローのブレンドだったが、2022年はカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラーの構成。品種は変わっても、チェレット社が大切にする「こだわりを曲げずに守り通す美学」は受け継がれている。

味わい

寄木細工の奥に、あすかルビーの赤い光。グラスから立ち上がるのは、澄み切った甘やかな香り。黒い果実の濃密さというより、朝露をまとった小さな赤い果実。まだ誰にも触れられていない果樹園で、一粒だけ完熟した実を見つけたような、無垢な香りだ。

口に含むと、確かなタンニンが舌を捉える。威圧するための渋みではなく、ワインの輪郭を静かに支える、細い骨格のようなもの。その内側から、熟した果実の甘やかさがゆっくりと広がっていく。

カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラー。それぞれに異なる色と質感を持つ葡萄が、ひとつの像を結んでいる。なるほど、『神の雫』で言うように、寄木細工だ。

力強い木、柔らかな木、香り高い木。異なる木片を組み合わせながら、継ぎ目を隠そうとはしない。むしろ、その違いこそが模様となり、ひとつの美しさを生み出している。

奈良・明日香の「あすか夢市場」で買う、朝摘みの「あすかルビー」を思い出す。指先で摘まめば崩れそうなほど瑞々しく、甘さの奥に、ほんの少しだけ酸を残す。華やかでありながら、どこか素朴。その土地の光を、飾らずに抱えている。

洗練されているのに、冷たくない。力を持ちながら、強がらない。果実味の中に人懐っこい微笑みを隠した、実にチャーミングな赤ワインである。

 

エチケット:ラベルを脱ぎ捨てた、黒い建築

チェレット・モンソルド・ロッソ

「チェレット・モンソルド・ロッソ」には、一般的な紙のエチケットがない。

漆黒のボトルそのものに、「MONSORDO」の文字が縦に刻まれている。小さな点の連なりで描かれた文字は、夜の都市に灯る窓のようでもあり、暗闇に浮かぶ星座のようでもある。光の角度によって文字は現れ、また闇へ沈む。

それは、ワインの味わいにもよく似ている。最初からすべてを語るのではなく、グラスを傾けるたび、果実、タンニン、甘やかさが少しずつ姿を見せていく。

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首元を包むのは、黒地に赤いドットを並べたキャップシール。規則正しく並んだ赤い点は、葡萄の粒にも、夜の劇場に灯る客席の明かりにも見える。

チェレット・モンソルド・ロッソ

重厚な黒いボトルに、赤い小さな鼓動。古典的な紋章や葡萄畑の絵を排し、文字と質感だけで存在を語る姿は、ワインボトルというより現代建築に近い。冷たく無機質に見えながら、その内部には「あすかルビー」のような無垢な果実が眠っている。

外側は漆黒。内側は、赤い果実の光。モンソルド・ロッソとは、夜の衣装をまとった、チャーミングなワインである。

 

料理とのマリアージュ

チェレット・モンソルド・ロッソ

  • ペペロンチーノ:パスタのキレを殺さず、ワインの旨みが広がる
  • ナスと梅肉のパスタ:相性最高。パスタの余韻を残してワインの旨みが広がる
  • 生ハム:塩気がワインの旨味を広げる
  • カレー:ワインの上品な味わいがカレーのスパイス流して心地いい
  • チキンソテー:鶏の塩を綺麗に洗い流す

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ペペロンチーノは、ニンニクと唐辛子の鋭い輪郭を、ワインが消してしまうことはない。パスタのキレをそのまま残しながら、あとから果実の旨味をふわりと重ねる。

辛味と赤い果実が、互いの足を止めずに走っていく。ペペロンチーノの直線的な美味しさに、ワインが柔らかな奥行きを与える組み合わせだ。

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ナスと梅肉のパスタは、最も素晴らしいマリアージュ。

ナスの甘みと油、梅肉の鋭い酸味。それらが口の中に余韻を残したところへ、ワインの果実味が静かに花開く。梅の酸を塗り替えるのではない。パスタの記憶を残したまま、別の赤い風景を重ねていく。

梅の赤と葡萄の赤。異なる二つの酸味が重なり、夕焼けの濃淡のような美しいグラデーションを描く。料理を食べたあとにワインを飲むのではなく、料理の物語をワインが引き継いでいる。

生ハムは塩気が、眠っていたワインの旨味を呼び覚ます。塩味を受けた果実味は一段明るくなり、タンニンも輪郭を増す。生ハムが舞台の照明となり、モンソルド・ロッソのチャーミングな表情を鮮やかに浮かび上がらせる。

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カレーは、意外にも心地よい。カレーの複雑なスパイスを、ワインが正面から押さえ込むことはない。辛味の尾をさらりと流し、その奥に果実の上品な甘やかさを残す。

荒々しいスパイスの行進を、赤いドレスをまとった貴婦人が静かに通り過ぎていくようだ。カレーの力強さを失わせず、食後感だけを優雅に整える。

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チキンソテーは、鶏肉にまとった塩味と脂を、ワインがきれいに洗い流す。

果実味が肉の淡白さに色を添え、タンニンが皮目の香ばしさを受け止める。重たさを残さず、次のひと口へと自然に手を伸ばさせる、端正な組み合わせである。

 

ドメーヌ(生産者)

チェレット・モンソルド・ロッソ

チェレット社の特徴は、まず「造りたいワインの姿」を明確に思い描き、その理想に近づけるため、年ごとにブレンド比率を調整すること。そのため、いくつもの品種を育て、ヴィンテージごとの個性を見極めながら、変わらない味わいを追い求めている。

生産地(テロワール)

チェレット・モンソルド・ロッソ

生産地は、北イタリアのピエモンテ州。白トリュフで有名な美食の街であり、バローロやバルバレスコといった高級赤ワインの産地としても知られる。

「ピエモンテ」とは、ピエディ(足)とモンテ(山)を組み合わせた言葉で、「山の麓」を意味する。その名の通り、アルプス山脈の麓に広がる丘陵地帯で、ワイン用ブドウは主に標高の高い斜面で栽培されている。

北側にアルプス山脈があるため、冷たい北風から守られている一方、イタリアの中では比較的涼しい地域である。夏は暑く、冬は寒い大陸性気候。アルプスの雪解け水にも恵まれ、ブドウ栽培に適した環境が整っている。

 

ワインライフを彩るアイテム

「アルパカフルーツスパークリング」〜飲めるアイドル、199円の小さなステージ

「アルパカフルーツスパークリング」〜飲めるアイドル、199円の小さなステージ

  • 生産者(ドメーヌ):サンタ・ヘレナ
  • 国:チリ
  • 生産地(テロワール):セントラル・ヴァレー
  • 葡萄品種:非公開
  • アルコール度数:5.0%
  • 販売価格:199円

日本で一番売れているワインブランド「アルパカ」から、2026年4月14日に発売された缶ワイン。全国のスーパーやコンビニなどで販売されている。

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チリワインの「アルパカ」をベースに、ウォッカ、レモン果汁、炭酸などを加えたスパークリングタイプだ。加工を行っているのは日本のアサヒビールなので、分類上は「日本ワイン」となる。

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これはワインではない。そう断じてしまうのは簡単だ。だが、その一線を越えた瞬間、この液体は別の顔を見せる。

それは、夏の帰り道にふと買ったレモンサワーでもなく、高級な白ワインでもない。もっと無垢で、もっと軽やかで、もっと自由だ。

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愛嬌のあるシルエットが、柔らかなグリーンの中に立っている。背景はレモンイエローから白へと溶けるグラデーション。そこに、瑞々しい葡萄とレモンのビジュアルが配されている。徹底して“軽やかさ”に振り切ったデザインだ。

「アルパカフルーツスパークリング」〜飲めるアイドル、199円の小さなステージ

金の縁取りはあるが、それは高級感というより、「ちょっとだけ特別な日常」を演出するための装飾。ワインでありながら、ワインに縛られない。その思想が、このエチケット全体から滲み出ている。

味わい

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最初に来るのは、炭酸の心地よい刺激。続いて、ほんのりとした柑橘のニュアンス。レモンは主張しすぎない。あくまで“風”のように通り過ぎる。

酸はあるが、鋭くはない。甘さもあるが、重くはない。すべてが「ちょうどいい距離」で配置されている。ワインとして評価すれば、輪郭は曖昧だ。だが、飲み物として見た瞬間、完成度は跳ね上がる。気づけば、もう一口。そして、もう一口。

飲み終えたあとに残るのは、重厚な余韻ではない。ただ、喉の奥に残る微かな泡と、「もう一本、開けたい」という軽やかな誘惑。

冷蔵庫に常備したい。そう思わせる缶ワインは初めてだ。

例えるなら、まだ世の中の重さを知らない、笑顔だけで空気を変えてしまう存在。ステージに立った瞬間に場を明るくする“アイドル”のような飲み物。主張はしない。だが、場を支配する。

 
 

料理とのマリアージュ

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チーズは、乳脂のコクを、炭酸が軽やかに持ち上げる。主役はワインだが、チーズはその舞台を整える存在になる。

サラミは、塩気と脂が、泡の快感を増幅させる。飲み物としての“気持ちよさ”が一段上がる瞬間。どちらも共通するのは、「合わせる」というより“炭酸の快楽を加速させるスイッチ”であることだ。

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お好み焼きとの相性は、驚くほど良い。ソースの甘さを軽やかに洗い流す。ただ消すのではない。白ワイン由来の酸味が、ソースの甘辛さと呼応し、レモンの爽やかさが後味に細い光を差し込む。

濃いはずのお好み焼きが、急に軽くなる。粉もんの熱気に、チリの白ワインとレモンの風が吹く。これは、かなり美味しい。いや、めちゃくちゃ美味しい。

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唐揚げ、ポテトとの相性もいい。

炭酸が油をほどき、レモンの香りが衣の重さを軽くする。唐揚げの肉汁を受け止めても、ポテトの塩気に寄り添っても、ワインの爽やかさは最後まで残る。

主張が強いわけではない。けれど、ちゃんとそこにいる。揚げ物の横で、泡が小さく弾け続けている。食べるほどに飲みたくなり、飲むほどにまた手が伸びる。

唐揚げとポテトという、どこまでも気軽な組み合わせを、ただの晩酌ではなく、少し楽しい時間に変えてくれる。

 
 
 

アルパカ フルーツスパークリング グレープフルーツと赤ワイン

「アルパカフルーツスパークリング」〜飲めるアイドル、199円の小さなステージ

「アルパカ フルーツスパークリング グレープフルーツと赤ワイン」は、缶入りの赤ワイン系飲料が抱えやすい弱点を、発想の転換で乗り越えた一本だ。

缶ワインは、無理に“本格的なワインらしさ”を再現しようとすると、かえって物足りなさが目立ってしまう。とりわけ赤ワインは、果実味や渋み、厚み、余韻まで求められるため、白ワイン以上にハードルが高い。

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その点、この商品は潔い。赤ワインらしさに固執せず、グレープフルーツ果汁と炭酸を加えることで、軽快なフルーツスパークリングとして完成させている。

「全然、赤ワインとちゃうやん。グレープフルーツジュースやん」

そう言われれば、否定はできない。だが、普通に美味しい。本物らしく見せようとした中途半端な赤ワイン風飲料を飲むより、ずっと気持ちよく楽しめる。

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グラスに注ぐと、鮮やかな赤色が目を引く。味わいは淡く軽やかで、グレープフルーツの爽やかな酸味とほろ苦さの奥に、赤ワインの果実味がかすかに残る。アルコール度数は5%。甘さも重さも控えめで、炭酸とともにすっと喉を通り抜けていく。

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味の輪郭が強すぎないため、料理の邪魔をしないのも魅力だ。ツナとキュウリのパスタのような軽い麺料理には爽やかさを添え、トマトの酸味とは自然に溶け合う。もともと赤ワインと相性のよいトマト料理やパスタを、もっと気軽に楽しませてくれる。

赤ワインとグレープフルーツが手を組み、缶という舞台に合わせて身軽になった飲み物だ。本格派を気取らない。その潔さこそが、この一本を美味しくしている。

 
 

生産者(ドメーヌ)

アルパカ,サンタ・ヘレナ社

1942年創業のサンタ・ヘレナ社はチリワインにおける輸出ブランドのパイオニア。今では世界90カ国以上で愛飲されている。高品質なチリワインの産地として、近年世界から注目を集めているコルチャグア・ヴァレーやセントラル・ヴァレーを拠点にワインの品質に磨きをかけている名門ワイナリー。

生産地(テロワール)

セントラル・ヴァレーは、北のアコンカグアから南のマウレ川まで、南北350kmにわたる広大なワイン産地。19世紀からヨーロッパ品種の栽培が始まり、白ワイン用にはセミヨンやシャルドネ、赤ワイン用にはカベルネ・ソーヴィニヨンが多く栽培されている。

太平洋とアンデス山脈に挟まれた場所。日照量が多く、昼夜の寒暖差が葡萄に果実味と凝縮感を与える。チリ最大のワインメーカーであるコンチャ・イ・トロ社やコノスル社もセントラル・ヴァレーに畑を構えている。

 
 
 
 

セブンイレブンおすすめワイン〜いい気分なワインライフを

セブンイレブンのおすすめコンビニワイン

コンビニNo. 1の資本力を誇り、個人のワインショップでは出せない価格で良質なワインを提供するのがセブンイレブン。

セブンイレブンに勤務する筆者が、いい気分になれるワインを紹介する。

セブンイレブンのワインの特徴

セブンイレブンおすすめワイン〜いい気分なワインライフを

セブンイレブン限定オリジナルワインである「プレミアム」シリーズではソムリエの田崎真也さんとコラボし、料理とワインのおすすめペアリングを紹介。さすが、業界ナンバーワインの資本力を見せる。ローソンやファミマと比較してもワインの品揃えが多く、ワインに力を入れている店舗が多い。

新宿の大久保通りにあるセブンイレブン

新宿の大久保通りにあるセブンイレブンは「よくこんな珍しいワイン仕入れたな!」と驚くほどワイン・ラヴァーが仕入れを担当している。たまにローソンなど、「これだけしか置いてないの!?」とガッカリすることもあるが、セブンイレブンは店による当たり外れが少ないのが特徴。

セブンイレブンおすすめワイン〜いい気分なワインライフを

希望を言えば、スパークリングワインが弱い傾向にあるので充実させて欲しいところ。

至高のワールドディスカバリー

ワールドディスカバリー,セブンイレブン,コンビニワイン

セブンイレブンで圧倒的なクオリティが2023年12月2日に発売した「ワールドディスカバリー」のシリーズ。セブンイレブン限定ワインであり、世界のワイナリーと葡萄品種ごとに共同開発するシリーズ。フランスのカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネ、ドイツのリースリング、オーストラリアのシラーズなど、世界の葡萄品種を楽しめる。味も日本人に合うよう、世界から葡萄だけ輸入して醸造は日本で行うワインもある。日本人の口に合うように加工するから我々は美味しく味わえる。

セブンイレブンが美味しい理由

マールボロ・ブリーズ・ヴァレー ソーヴィニヨン・ブラン〜セブンイレブン・プレミアム

実際は4,000円くらいの良いワインが1000円台で買える。大阪のワインショップのオーナーが「自分たちの仕入れ値よりコンビニワインの販売価格のほうが安い」と嘆くほど。セブンイレブン限定のワインを個人の店で仕入れた場合、仕入れ値が倍以上になるものが多い。大手企業の資本力と努力がなせる技。

セブンイレブンおすすめ白ワイン

ワールドディスカバリーNo.25・ドイツ・リースリング

ワールドディスカバリーNo.25・ドイツ・リースリング〜セブンイレブン最高傑作

  • 価格:1,078円
  • 生産国:ドイツ
  • 葡萄品種:リースリング
  • 合う料理:ペペロンチーノ、やみつきチョレギサラダ

セブンイレブンのコンビワイン最高傑作であり、全店のコンビニワインでも1、2位を争う銘酒。非常に柔らかく飲みやすい。酸も適度。果実味の複雑さもあり、とても1000円ちょっとのワインを飲んでいるとは思えない。ブラインドで出せば全員が3000円以上と言うであろう美味しさ。合わせる料理はパスタ、セブンイレブンで買える「やみつきチョレギサラダ」がおすすめ。

ヨセミテロード・シャルドネ

ヨセミテロード・シャルドネ

  • 価格:712円
  • 生産国:アメリカ
  • 葡萄品種:シャルドネ
  • 合う料理:ポテトサラダ

2009年11月4日から日米同時発売されたセブンイレブンのオリジナルワイン。250mlで313円のサイズもある。フルボトルでも712円の格安ワイン。キリッとシャープだけど嫌な酸がない。ピラミダルな山のように端麗でストレート。単調さが逆にいい。合わせる料理はセブンイレブンの公式サイトでは「魚介料理やグラタン、ポテトサラダなどとよく合う」と表記。シンプルなポテトサラダがいちばん合う。

マールボロ・ブリーズ・ヴァレー ソーヴィニヨン・ブラン

マールボロ・ブリーズ・ヴァレー ソーヴィニヨン・ブラン〜セブンイレブン・プレミアム

  • 価格:1,408円
  • 生産国:ニュージーランド
  • 葡萄品種:ソーヴィニヨン・ブラン
  • 合う料理:カニカマ、スモークチーズ

ソムリエの鈴木培稚さんが「店なら1万円で出せる」と絶賛。日本のブラインドテイスティング会で出されたときも多くの人が5千円台のワインだと思った。ワイン屋さんが口を揃えて「マルボーロのソーヴィニヨン・ブラン」が1000円台で売っているのは奇跡。普通は仕入れ値だけで2000円を超えると驚愕する。

バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・ボルドー・ブラン

バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・ボルドー・ブラン

  • 価格:1,427円
  • 生産国:フランス
  • 葡萄品種:非公開(ミュスカデル、ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨンなど)
  • 合う料理:ウインナー、ペペロンチーノ、飛鳥鍋

ボルドー五大シャトーの一角「シャトー・ムートン・ロスチャイルド」を擁する名門が手がけるデイリーワイン。セブンイレブンでも買える、日常へ降りてきたロスチャイルドである。淡い黄金色に、強い酸味と軽やかな果実味。高級感や複雑性で驚かせる一本ではないが、冷やして飲めば、夏の夕方に吹き込む風のような清涼感がある。

ウインナーは脂と旨味を酸が洗い流すベストマリアージュ。ペペロンチーノは辛味とオイルを軽くし、ワインの果実味を引き出す。飛鳥鍋は、牛乳と鶏肉のまろやかさに酸が光を差す意外な好相性。1500円以下で味わう、爽やかなボルドーの入口。

https://wine-bible.hatenablog.jp/entry/BARON-PHILIPPE-DE-Bordeaux-ROTHSCHILD-blanc

セブンイレブンおすすめ赤ワイン

ワールドディスカバリーNo.30シラーズ

ワールドディスカバリーNo.30シラーズ〜セブンイレブン最高の赤ワイン

  • 価格:1,078円
  • 生産国:オーストラリア
  • 葡萄品種:シラーズ
  • 合う料理:麻婆豆腐、焼肉、豚の角煮

セブンイレブンが力を入れている世界のワイナリーと共同開発する「ワールドディスカバリー」シリーズの30番。税抜980円で買える奇跡。セブンイレブンの赤ワインの最高峰であり、これほど美味しい赤ワインは5000円出しても買えない。ワイン単体で飲んでも美味しく、料理とも合う超フードフレンドリー。

ワールドディスカバリーNo.10プリミティーヴォ

ワールドディスカバリーNo.10プリミティーヴォ

  • 価格:1,078円
  • 生産国:イタリア
  • 葡萄品種:プリミティーヴォ
  • 合う料理:エビチリ、暗殺者のパスタ

「ワールドディスカバリー」シリーズの第10弾。1000円で手に入るのに、飲むだけで気持ちを明るく華やかにしてくれる。豊かな果実味が香水のように立ち上り、優美な気品を纏う。上品な花の蜜を一滴一滴味わっているかのよう。食卓を彩るために存在するワインで料理と相性抜群。

ポッジオ・アルザーレ・キャンティDOCG500

セブン・ポッジオ・アルザーレ・キャンティ

  • 価格:784円
  • 生産国:イタリア
  • 葡萄品種:サンジョヴェーゼ、カベルネ・ソーヴィニヨン
  • 合う料理:金の蟹クリームトマト、しゃり蔵わさび味

セブンイレブン限定のキャンティ。500mlと少し小ぶり。ワインエキスパートの資格を持つEXILEのSHOKICHIは2020年を「ヨーロッパの夕陽が見える」と6000円の値段をつけた。ブラインド・テイスティングの日本代表である大倉野泰造さんも7000円の値段をつけた。合わせる料理はセブンイレブンの冷凍食品である金の蟹クリームトマトが最高。赤ワインのエレガントさがバイキルトされる。親しみやすいワインから高級ワインに大変身。これぞマリアージュ。

バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・ボルドー・ルージュ

バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・ボルドー・ルージュ

  • 価格:1,427円
  • 生産国:フランス
  • 葡萄品種:非公開(メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンなど)
  • 合う料理:ハンバーグ、ステーキ、ナスのパスタ

ボルドー五大シャトーの一角「シャトー・ムートン・ロスチャイルド」を擁する名門が手がけるデイリーワイン。セブンイレブンでも買える、日常へ降りてきたロスチャイルドである。濃いガーネット色に、熟したベリーの香り。口に含むと、しっかりした酸味とタンニンが舌をつかみ、ボルドーらしい骨格を見せる。

驚くほど複雑なワインではないが、五本の矢の紋章をひねるだけで、いつもの食卓に少しだけ格式が生まれる。ハンバーグは肉の脂とソースの甘みが渋みをほどき、ワインをまろやかにする。ステーキは肉の野性味がワインの骨格を呼び覚ます。1500円以下で味わう、日常のためのボルドー。

セブンイレブンおすすめスパークリング

ヨセミテ・ロード・スパークリング

ヨセミテ・ロード・スパークリング〜セブンイレブンのスパークリング

  • 価格:899円(税込)
  • 生産国:アメリカ
  • 葡萄品種:カリフォルニア産シャルドネ、フレンチ・コロンバール
  • 合う料理:野菜スティック、チーズ、焼き鳥(塩)

ヨセミテ・ロードのスパークリング。長年にわたってコンビニワインを牽引する泡。炭酸が強く、いかにもアメリカという感じで愉しめる。シュワッと弾ける強炭酸が鮮烈なインパクトを与える。アルコール度数は13.0%と高め。すぐに追いかけてくるのは、やわらかく広がる酸味とフルーティーな果実味。バランスが絶妙で、口当たりはまろやか。キレのある泡立ちを求める人には、ぜひ試してほしい一本。

セブンイレブンで買えるおすすめワイン

セブンイレブンのオリジナルではないが、セブンイレブンで売っているワインの中でおすすめを紹介する。

イエローテイル・シャルドネ

イエローテイル・シャルドネ

  • 価格:935円
  • 生産国:オーストラリア
  • 葡萄品種:シャルドネ
  • 合う料理:キノコのソテー、鶏の唐揚げ、チーズ全般

ワイン単体でも美味しく、料理と合わせてもフードフレンドリーな万能ワイン。トロピカルで夏を感じるシャルドネ。酸のキレが強い。開けて2日目以降から美味しくなるのもポイント高し。合わせる料理は公式サイトのおすすめは白身の刺身、パスタ、グラタン、焼き鳥。ワインブックスの前場さんおすすめはクリームパスタ、キノコのソテー。

ロシュ・マゼ・カベルネ・ソーヴィニヨン

ロシュ・マゼ・カベルネ・ソーヴィニヨン

  • 価格:1,078円
  • 生産国:フランス
  • 葡萄品種:カベルネ・ソーヴィニヨン
  • 合う料理:ペコリーノチーズ

世界で最も売れているフランスワイン。千円前後の赤ワインでは奇跡的な美味しさ。試飲したフランス人全員が圧倒的ナンバーワンに挙げ、1万円以上のワインしか飲まないという女性も絶賛。もう1万円のワインを買わなくていいと言い切った。合わせる料理は羊系のペコリーノチーズがおすすめ。チーズの臭みを消してスッキリ感が高まり、フワッと華やかなカベルネの余韻が広がる。発見したら絶対に買ってみてほしい。

その他セブンイレブンのコンビニワイン

その他おすすめコンビニワイン

ワインライフを楽しむアイテム

バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・ボルドー・ブラン

バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・ボルドー・ブラン

  • 生産者(ドメーヌ): バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド
  • 国:フランス
  • 生産地(テロワール):ボルドー地方
  • 年代(ヴィンテージ):2021年
  • 品種:非公開(ミュスカデル、ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨンなど)
  • 栓:スクリューキャップ
  • 熟成:非公開
  • アルコール度数:12.5%
  • 飲み頃の温度:8 - 10℃
  • 販売価格:1,427円(税込み)

「バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・ボルドー・ブラン」は、「シャトー・ムートン・ロスチャイルド」を擁する名門ロスチャイルド家が手掛けるデイリーワイン。ミュスカデル、ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨンなどをのボルドー品種をブレンドし、軽やかな味わいが特徴の親しみやすい白ワイン。

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セブンイレブンで取り扱いがあり、1500円以下で買えるデイリーワインである。ボルドー五大シャトーに名を連ねるロスチャイルド家がコンビニに進出する懐の広さを見せている。

何十万円もの価格がつく《シャトー・ムートン・ロスチャイルド》を生み出す名門が、コンビニの棚にまで降りてくる。その事実に、ロスチャイルド家の懐の広さを感じる。

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輸入はワイン専門店として知られるエノテカが手がける。

このワインは、名声の切り売りではなく、選ばれた一部の人だけでなく、誰もが気軽にボルドーワインへ触れられるようにするための、名門なりの寛容さ。格式を捨てたのではなく、格式の門を、日常へ向けて開いたのである。

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栓はコルクではなく、スクリューキャップ。抜栓の儀式も、コルクが途中で折れる心配もない。飲みたい夜に、金色のキャップをひねるだけでいい。その瞬間、遠いボルドーが食卓へ降りてくる。

味わい

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グラスに注がれた液体は、朝露を含んだ麦わらのような淡い黄金色。光を受けるたび、夏の水面のように静かに揺れる。

ひと口含めば、最初に舌を走るのは強い酸味だ。冷たい風が、眠っていた味覚を一気に目覚めさせる。鋭さはあるが、刺したままでは終わらない。そのあとを、軽やかな果実味と穏やかなコクが追いかけ、口の中をすっきりと整えていく。

夏のワインと呼びたくなる。

炎天下から帰った夕方、窓を開けた瞬間に入り込む風。汗ばんだ肌を撫で、部屋にこもっていた熱をさらっていく。そんな清涼感がある。

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高級感を誇るワインではない。複雑怪奇な香りも、長大な余韻もない。だが、単調ではない。酸、果実、わずかなコクが過不足なく並び、癖の少ない、誰もが楽しめる味に仕上がっている。自宅で特別な夜を演出するというより、友人宅に招かれたときに持っていきたい一本だ。

「これ、ムートン・ロスチャイルドを持つ一族が造っているんだ」

そんなエピソードを添えるだけで、いつもの食卓に少しだけ華が生まれる。高価すぎず、気取らず、それでいて話題を一つ連れてきてくれる。手土産として、ちょうどいい距離感のワインである。

エチケット

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エチケットは、白を基調にした端正なデザイン。中央には流麗な筆記体で「Bordeaux」。その上には、ロスチャイルド家を象徴する冠と五本の矢が描かれている。一本なら折れる矢も、五本を束ねれば簡単には折れない。家族の結束を表す紋章であり、異なる葡萄を束ねて味を造る、ボルドーのブレンド文化にも重なって見える。

赤ワインの深いネイビーに対し、白ワインではラベル下部に鮮やかな緑の帯が走る。ソーヴィニヨン・ブランを思わせる青い草、ミュスカデルの花、セミヨンの穏やかな果実。そのすべてを一色に束ねたような、清涼感のある緑だ。

白、緑、金。夏の光、葡萄畑、名門の系譜。三つの色だけで、このワインの立ち位置を過不足なく語っている。派手さはないが、冷蔵庫の中に立っているだけで、食卓へ少し上品な空気を運んでくる。

料理とのマリアージュ

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  • ウインナー:脂を酸が洗い流す、ベストマリアージュ
  • キュウリとイカの生姜炒め:生姜の刺激を整え、爽やかさを残す
  • 春雨の中華スープ:互いを邪魔せず、静かに寄り添う
  • 牛肉のステーキ:脂は流すが、旨味には赤ワインが優勢
  • 茄子のプッタネスカ:油をほどき、トマトの酸味を鮮明にする
  • ペペロンチーノ:辛味とオイルを軽くし、果実味を引き出す
  • 飛鳥鍋:まろやかさに酸が光を差す意外な好相性

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ウインナーは、このワインとのベストマリアージュ。脂と旨味を、鋭い酸が跡形もなく洗い流す。口の中に残るのは、肉の香ばしさと、澄み切った白ワインの余韻だけ。油の重さが消えたあと、舌の上に清流が生まれる。夜明けのように清々しい組み合わせだ。

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キュウリとイカの生姜炒めは、キュウリの瑞々しさ、イカの淡い旨味、生姜の鋭い香り。その中で、ワインは生姜の刺激だけを選び取るように流していく。

辛味を消すのではない。過剰な輪郭を整え、料理の爽やかさを残す。白ワインと生姜が、同じ風の方向へ進んでいく。

春雨の中華スープは、春雨の優しさも、スープの旨味も、ワインの酸味も損なわれない。互いに踏み込まず、静かに並んで歩く。強く抱き合う関係ではなく、同じ食卓にいて心地よい関係である。

牛肉のステーキも悪くはない。ワインの酸が肉の脂を流し、食卓を軽くしてくれる。ただし、牛肉の力強い旨味を深く受け止めるなら、やはり赤ワインのほうがいい。この白は肉と格闘するより、その横を爽やかに走り抜ける。

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茄子のプッタネスカは、トマトの酸味とワインの酸が、ぶつからずに重なる。茄子が吸い込んだ油をワインがほどき、トマトの甘酸っぱさを鮮明にする。赤いソースと白いワインが、異なる色のまま同じ旋律を奏でる組み合わせだ。

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ペペロンチーノは、唐辛子の辛味を酸が和らげ、ニンニクとオイルの重さを軽くする。

料理を流して終わるのではない。辛味を受け止めたことで、ワイン自身の果実味と爽やかさも一段明るくなる。ペペロンチーノが、この白ワインの眠っていた美味しさを引き出す。

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飛鳥鍋は、意外な相性を見せる。牛乳や鶏肉のまろやかさに、ワインの酸味が一本の光を差し込む。鍋の優しい味を壊さず、ぼやけかけた輪郭を引き締める。

奈良の郷土料理とボルドーの白。遠く離れた二つの土地が、酸味を橋にして同じ食卓で出会う。

生産地(テロワール)

ボルドー

このワインは、AOCボルドーに分類される。AOCボルドーとは、フランス・ボルドー地方で生産されるワインのうち、より狭い村名や地域名の呼称ではなく、ボルドー全域の生産規定を満たしたワインに与えられる地域名呼称である。使用できる葡萄品種や栽培・醸造方法などの基準を守りながら、広い地域の葡萄を用いて造られる。

そのため、特定の畑や村の個性を鋭く表現するというより、ボルドーワインらしさを分かりやすく伝えることを目指している。カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローなどを束ね、果実味、渋み、酸味を整える。万人に届くよう翻訳された、ボルドーの共通語である。

この一本に、ムートン・ロスチャイルドの奇跡を求めてはいけない。けれど、名門が積み重ねてきた歴史の入口は、確かにここにある。五本の矢が描かれたスクリューキャップをひねれば、遠かったボルドーが、今夜の食卓まで降りてくる。それだけで、いつもの夜が少しだけ華やぐ。

 

おすすめのワイングラス

バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・ボルドー・ルージュ

バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・ボルドー・ルージュ

  • 生産者(ドメーヌ): バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド
  • 国:フランス
  • 生産地(テロワール):ボルドー地方
  • 年代(ヴィンテージ):2022年
  • 品種:非公開(メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンなど)
  • 栓:スクリューキャップ
  • 熟成:非公開
  • アルコール度数:13%
  • 飲み頃の温度:15 - 18℃
  • 販売価格:1,427円(税込み)

「バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・ボルドー・ルージュ」は、「シャトー・ムートン・ロスチャイルド」を擁する名門ロスチャイルド家が手掛けるデイリーワイン。メルローやカベルネ・ソーヴィニヨンなどをブレンドし、ベリー系の果実味、まろやかな味わいが特徴の親しみやすい赤ワイン。

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セブンイレブンで取り扱いがあり、1500円以下で買えるデイリーワインである。ボルドー五大シャトーに名を連ねるロスチャイルド家がコンビニに進出する懐の広さを見せている。何十万円もの価格がつく《シャトー・ムートン・ロスチャイルド》を生み出す名門が、コンビニの棚にまで降りてくる。その事実に、ロスチャイルド家の懐の広さを感じる。

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選ばれた一部の人だけではなく、誰もが気軽にボルドーワインへ触れられるようにする。これは、格式を捨てたのではない。格式の門を、日常へ向けて開いたワイン。

栓はコルクではなく、スクリューキャップ。抜栓の儀式も、コルクが折れる心配もない。飲みたい夜にひねるだけで、すぐにボルドーが始まる。

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輸入はワイン専門店として知られるエノテカが手がける。

味わい

バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・ボルドー・ルージュ

グラスへ注ぐと、濃いガーネット色が静かに沈む。黒に近い液体の縁にだけ、赤い光が残る。深夜の宮殿で、消えかけた燭台が最後の炎を揺らしているようだ。

香りは強い。熟したベリーが勢いよく立ち上がり、黒い果実の奥から、ボルドーらしい乾いた気配が追いかけてくる。

口に含めば、まず渋みが舌をつかむ。続いて酸が輪郭を引き、果実味がその骨格に肉を与える。まろやかさを特徴とする親しみやすい赤でありながら、決して軟弱ではない。力強い酸味とタンニンが正面から迫る、いかにもボルドーらしいワインだ。

ただし、名門の名を背負っているからといって、特別に美味しい一本というわけではない。驚くような複雑性も、忘れがたい官能もない。正直に言えば、よくある価格帯のデイリーワインである。

バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・ボルドー・ルージュ

だが、ワインは味覚だけで飲むものではない。何でもない一日の終わりに、少しだけ気分を上げたい夜がある。友人の家へ向かう途中、「高級品でなくていい。でも、食卓に少し華やかさを添えたい」と思うことがある。そんなとき、この一本はちょうどいい。

王冠をかぶるほどではない。けれど、シャツの襟を正し、背筋を少しだけ伸ばしてくれる。これは、日常のために仕立てられたロスチャイルドなのだ。

 

料理とのマリアージュ

バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・ボルドー・ルージュ

  • ハンバーグ:ワインがまろやかになる
  • ステーキ:肉のワイルドさ、旨みが引き立つ
  • ペペロンチーノ:ワインのキレがを加速して相性よし
  • ナスのパスタ:トマトの酸味がう旨みを加速する
  • 焼きハム:ワインの酸味がハムの塩味と調和する
  • 焼きパプリカ:ワインの酸味が際立つ

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ハンバーグは、肉の脂とソースの甘みがタンニンをほどき、硬かったワインがまろやかになる。鎧を脱いだ騎士のように、表情が柔らかくなる。

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ステーキは、牛肉の野性味がワインの骨格を呼び覚ます。肉の旨味が濃くなり、ワインにも大地を踏みしめるような力が生まれる。

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ペペロンチーノは、ニンニクと唐辛子の刺激がワインの酸を鋭く研ぎ澄ます。キレが加速し、互いが前へ走り出す。

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ナスのパスタは、ナスの油分とトマトの酸が、ワインの渋みを包み込む。トマトの酸味によって果実の旨味が押し上げられ、赤い味覚が一つに重なる。

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焼きハムは、ハムの塩味とワインの酸が調和する。塩気が果実味を引き締め、余韻を端正に整える。

焼きパプリカは、野菜の甘みを受けて、ワインの酸がいっそう鮮明になる。調和というより、酸の輪郭を楽しむ組み合わせだ。

なかでも、ハンバーグやステーキのような肉料理には安定した強さを見せる。肉の焼ける匂いが漂う、ごく普通の食卓でこそ、その役割を果たす。

 

エチケット

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白地のエチケットには、流麗な筆記体で「Bordeaux」と記されている。細い金の罫線、深いネイビーの帯、その上に刻まれた「BARON PHILIPPE DE ROTHSCHILD」の名。装飾は抑制され、名門らしい静かな気品が漂う。

中央上部と黒いスクリューキャップに描かれているのは、ロスチャイルド家を象徴する五本の矢。一本の矢は折れる。しかし、五本を束ねれば簡単には折れない。

それは家族の結束であり、異なる葡萄を組み合わせて一つのワインを造る、ボルドーのブレンド文化そのものにも見える。

バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・ボルドー・ルージュ

カベルネ・ソーヴィニヨンの骨格、メルローの柔らかさ、カベルネ・フランの香り。それぞれは異なる方向を向きながら、束ねられることで一本の強さになる。威圧するのではなく、家紋だけを静かに掲げる。名門とは、多くを飾らずとも自らを語れるもの。

葡萄(セパージュ)

熟成方法と品種構成の比率は非公開だが、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローなど、ボルドーを象徴する黒葡萄をブレンドして造られている。

生産地(テロワール)

ボルドー

このワインは、AOCボルドーに分類される。AOCボルドーとは、フランス・ボルドー地方で生産されるワインのうち、より狭い村名や地域名の呼称ではなく、ボルドー全域の生産規定を満たしたワインに与えられる地域名呼称である。使用できる葡萄品種や栽培・醸造方法などの基準を守りながら、広い地域の葡萄を用いて造られる。

そのため、特定の畑や村の個性を鋭く表現するというより、ボルドーワインらしさを分かりやすく伝えることを目指している。カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローなどを束ね、果実味、渋み、酸味を整える。万人に届くよう翻訳された、ボルドーの共通語である。

この一本に、ムートン・ロスチャイルドの奇跡を求めてはいけない。けれど、名門が積み重ねてきた歴史の入口は、確かにここにある。五本の矢が描かれたスクリューキャップをひねれば、遠かったボルドーが、今夜の食卓まで降りてくる。それだけで、いつもの夜が少しだけ華やぐ。

 

コロナビール(コロナ・エクストラ)〜光を飲むビール、瓶を持つと、少し遠くへ行きたくなる

コロナビール(コロナ・エクストラ)〜光を飲むビール、瓶を持つと、少し遠くへ行きたくなる

  • 国:メキシコ
  • 種類:ペールラガー
  • アルコール:4.5 %
  • カロリー:132kcal(瓶)
  • 原材料:麦芽、ホップ、米、コーン

コロナビール(正式名称:コロナ・エキストラ)は、メキシコ発祥で世界180ヵ国以上で愛飲されているプレミアムラガービール。

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特徴は、軽さ。苦味の少なさ。喉を通ったあとに残る、すっきりとした爽快感。アルコール度数は4.5%。重く酔わず、舌の上で主張しすぎず、時間を明るい方へ流してくれる。日本の苦味の強いビールをエスプレッソとするなら、コロナはカフェ・オ・レ。角がない。苦味が尖らず、麦の香ばしさも、ホップの存在感も淡くほどけていく。

「バドワイザー」〜王冠をまとった、自由のラガー

今では、バドワイザー(米国)、ハイネケン(オランダ)と並ぶ、世界シェアトップ3の世界三大ビールと呼べる。

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ラベルには、神話に出てくるライオンと鷲が融合した空想上の生き物グリフィンが描かれる。中央には王冠(コロナ)があしらわれている。

ジョッキやコップに注がず、栓を抜いた瓶からラッパ飲みされることが多い。広告に「このビールは、立って飲むのがお行儀です」というキャッチコピーもある。

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メキシコ国内で約50%のシェアを誇る最大手メーカーモデロ社(グルポ・モデロ)が、同社の最初のビールとして発売したのが「コロナ・エキストラ」を1926年に発売。

2026年は100周年にあたる。風味の劣化を防ぐために伝統的なビール瓶が茶色をしていたのに対し、コロナビールは売れ行きを優先して透明な瓶を使用した。

バドワイザーがアメリカの広い道路を走る赤いオープンカーなら、ハイネケンはヨーロッパの街角を吹く青い風。コロナは、メキシコの海辺に沈む夕陽である。

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口に含むと、まず感じるのはやさしさ。苦味はとても穏やか。麦の甘みも軽い。米とコーンによるすっきりした後味があり、舌の上に重さを残さない。炭酸は強すぎず、しかし心地よく、喉を抜けるときに小さな光の粒のように弾ける。

「どうだ、うまいだろう」と胸を張るビールではなく、黙って隣にいて、気づくと場の空気を明るくしている。濃厚さや苦味で勝負するビールとは、まったく違う場所に立っている。

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余韻は短い。飲んだあと、口の中がすぐに軽くなる。だから、もうひと口飲みたくなる。料理を食べたくなる。会話を続けたくなる。

沢木耕太郎さんの随筆に『冠(コロナ) 廃墟の光』がある。タイトルの「冠」という言葉の乾いた光。勝利ではなく、旅の途中で見た一瞬の輝き。

コロナ・エキストラにも、そんな光がある。

ビールの中には、深い森のようなものもある。暗いバーのカウンターに似合うものもある。濃い苦味で、夜を長くするものもある。

けれど、コロナは違う。コロナは、昼のビールである。光のビールである。立って飲むビールである。瓶を持つと、少し遠くへ行きたくなる。

相性のいい料理

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コロナビール(コロナ・エキストラ)は、料理の味を邪魔しない。お好みや焼きそばソースの甘みを和らげ、さらに美味しくする最強コンビ。

甘辛いソースの輪郭をやわらげ、キャベツの甘みを前に出し、マヨネーズの油分を軽くしてくれる。口の中に残ったソースの余韻を、海風のようにさらっていく。

焼きそばは味が整う。ソースの甘みを少し和らげ、油の重さを流し、最後に淡い麦の甘みを残す。ビールが前に出すぎないから、焼きそばがちゃんと主役でいられる。

コロナは違う。料理の横に立ち、必要なときだけ風を送る。その距離感がうまい。

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ビールの軽やかな苦みと炭酸が、サルサソースの濃さをさらっと流してくれる。タレの硬さがほどけ、口の中がすっと澄む。そこへまた麺をすする。焼きそば、ビール、焼きそば、ビール。この往復が、たまらなく気持ちいい。

ソースの濃厚さは、ビールが清流のように洗い流す。ハラペーニョの辛みは、泡が軽やかにさらっていく。チーズのまろやかさは、ビールのキレによって輪郭を取り戻す。

メキシカンタコス味の焼きそばとコロナビール。濃さと軽さ、辛みと爽快感、チーズのコクと炭酸のキレが、互いの旨みを殺さずに引き立て合う。まさに、陽気で美しいマリアージュである。

ブリトーとの相性もいい。トルティーヤの香ばしさ、肉や豆の旨み、サルサの酸味、チーズのコク。そのどれにもコロナは強く踏み込まない。横から風を通すように、味の密度を少しだけ軽くしてくれる。互いの旨みを殺さない、距離感のうまい組み合わせ。