ワインを始めるなら何がいいか?多くのワインラヴァーがコノスルのワインを推す。『神の雫』の原作者・亜樹直さんもワインを始める安旨ワインはコノスルを薦めている。「コノスルを飲むと他のワインの存在意義が感じられなくなるので、極力飲みたくない」と言うソムリエもいる。チリが生んだ奇跡コノスルを偏愛を持って紹介する。
- コノスルは輸出専門ワイン
- なぜコノスルは安旨ワインなのか
- コノスル・ビシクレタ・レゼルバ
- コノスル・オーガニック
- レゼルバ・エスペシャル・ヴァレー・コレクション
- コノスル・スパークリング
- 2000円台のコノスル・ワイン
- コノスルおすすめランキング
コノスルは輸出専門ワイン
チリ最大のワインメーカー「コンチャ・イ・トロ」が1993年に輸出専門として設立したブランドが「ヴィーニャ・コノスル」。コノスルは「Cone of Southの略で「南の円錐」の意味。1000円以下の安旨ワインから1万円以上の高級ワインまで広角打法で生産しているチリを牽引するドメーヌ。トレードマークであるラベルの自転車はコノスルで働く従業員たちが広い葡萄畑の中を動き回るときの移動手段。自動車の排気ガスを出さないため、農夫さんたちは自転車を漕ぎながら美味しいワインをつくっている。
チリワイン盟主コンチャ・イ・トロ
コンチャ・イ・トロは1883年のスペイン人メルチョル・コンチャ・イ・トロによって創業され、ボルドーからカベルネ・ソーヴィニヨン、ソーヴィニョン・ブラン、セミヨン、メルロー、カルネメールの品種のブドウの株を仕入れた。メルローと混じって植えられていたカルメネールを初めて単体で植えた先駆者であり、チリワインの歴史を牽引してきた。「コノスル」シリーズ以外にもローソン限定の「カーサ・スベルカソー」を手がけており、こちらも640円と奇跡の低価格で美味しいワインを日本に届けている。
なぜコノスルは安旨ワインなのか
- ブドウごとに適した畑
- 考え抜かれたブレンド比率
- 手摘みと機械の二刀流
なぜコノスルは1000円以下や2000円台で安旨ワインを日本に届けられるのか。主に3つの企業努力に起因する。
ブドウごとに適した畑
コノスルは南北にチリ全土に2,000haもの広大な葡萄畑を8つ以上所有している。チリの渓谷、大地を広大に使い、それぞれ適した葡萄品種を使い分けている。同じブドウ品種でも例えばピノ・ノワールであれば2000円台のものはサンアントニオ・ヴァレー、8,000円台はカサブランカ・ヴァレーと産地を分けている。
考え抜かれたブレンド比率
コノスルは美味しさを重視するため、葡萄のブレンド率を徹底的に研究し、こだわる。
最もスタンダードな赤ワインも複雑なブレンド。
- カべルネ・ソーヴィニヨン:87 %
- メルロー:8%
- カルメネール:2 %
- シラー:2%
- マルベック:1 %
5%にも満たない種類を3つ以上も使うことで、飲みやすく、安く美味しいワインを提供する。
手摘みと機械の二刀流
コノスルは人件費を抑えるため、葡萄の収穫を手摘みと機械の二刀流で行う。例えば1000円以下のピノ・ノワールは15%を手摘み、85%を機械で収穫するといった工夫で費用を抑えつつ、ギリギリに品質を保っている。
コノスル・ビシクレタ・レゼルバ
ビシクレタはスペイン語で「自転車」の意味。葡萄品種ごとにバラエティーがあり、ロゼワインも入れて全部で12アイテムある。色んな葡萄の違いを楽しみたい人におすすめ。「ワイン入門キット」のヘッドライナーである。売れ筋の順位は下記のとおり。
- カベルネ・ソーヴィニヨン
- シャルドネ
- ピノ・ノワール
- ゲヴュルツトラミネール
シャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨンは売っていないコンビニ、スーパーを見つけるのが難しいくらいなので、実際に飲んで欲しい。お試し用のミニボトルもある。特にシャルドネはソムリエの鈴木培稚(ますぢ)さんが「000円以下の中でランクA。樽は使っていないがスモーキーな味わい」と高評価。
ここでは白ワインと赤ワインの最高峰2つを紹介する。
ゲヴュルツトラミネール
- 生産地:ビオビオ・ヴァレー
- 品種:ゲヴュルツトラミネール100 %
- アルコール度数:12.5%
- 合う料理:麻婆豆腐、アラビアータ
- 楽天価格:794円(店舗:880円)
日本国内で一番売れているゲヴュルツトラミネール。ソムリエやワイン通のなかでファンが多い。シャープでドライな辛口なのに、まろやかさがある。飲み進めていくうちに美味しさが増す奇跡的なコノスル白ワイン。
ブラインド・テイスティングの日本トップクラスのテイスターがは4,500円の値段をつけたほど。この世に存在する千円以下のワインで最高峰の名酒。
ピノ・ノワール
- 生産地(テロワール):非公開
- 品種:ピノ・ノワール100%
- アルコール度数:12.5%
- 合う料理:牛サガリ、和風ハンバーグ
- 楽天価格:794円(店舗:880円)
グラスに注いだときの美しさにうっとりするコノスル赤ワイン。チリで最初に植えられたピノ・ノワールがコノスルのワイナリーのそばにあったことから、ピノ・ノワールはコノスルで最も重要な品種。1999年にはチリでナンバーワンのピノ・ノワールを目指して「ピノ・ノワール・プロジェクト」を開始したほど。飲みやすく、とても千円以下とは思えない高貴な味わい。
ソムリエの鈴木培稚(ますぢ)さんは2021年をテイスティング。バランスが良く飲みやすい。甘味がきて綺麗な酸があって余韻が長い。ピノ・ノワール初心者におすすめと絶賛。
コノスル・オーガニック
コノスル・オーガニックワインは化学薬品を使用せず葡萄を栽培。草花やガチョウ、益虫などの導入などで畑を管理した葡萄から作られる。税込1,098円と安旨ワインを守り、白と赤6種類を販売。
エチケットも自転車ではなく、蝶々や花など自然のイラストをあしらっている。
シャルドネ
- 生産地:非公開
- 品種:シャルドネ100%
- アルコール度数:12.5%
- 合う料理:納豆パスタ、ペペロンチーノ、トマトパスタ
- 楽天価格:1,098円(税込み)
コノスル・オーガニックのワインでおすすめはシャルドネ。酸と果実味がパワフル。アルコール度数も14%あり強烈なシャルドネ。でも嫌な感じが1ミリもない。最後に苦味が残るが、それも心地いい。熟成にも耐えられ、5年寝かした状態が一番おいしいとも言われる。
レゼルバ・エスペシャル・ヴァレー・コレクション
1000円台ながら、チリの産地を公開し、テロワールにこだわったコノスルの最強安旨ワイン「レゼルバ・エスペシャル・ヴァレー・コレクション」。入手困難で赤白ワイン合計8種類をラインアップしている。
カベルネ・ソーヴィニヨン
- 生産地:アコンカグア・ヴァレー
- 品種:カべルネ・ソーヴィニヨン、シラー、メルローなど
- 栓:コルク
- アルコール度数:14.5%
- 合う料理:ビーフシチュー、ボロネーゼ
- 楽天価格:1,230円(税込)
2007年が『神の雫』で登場し、「ここまでの完成度で千円台で買えるのは驚異的なコストパフォーマンス。天・地・人でいう人の力が突出しているワイン」と絶賛した。一口目は「タンニンすげえ!」と思うが次第に落ち着くと一気に上品な果実味、スッキリしたフルーティーさに変わる。とても千円台とは思えない上品さと美味しさ。
1万円のヴォーヌ・ロマネと間違えるピノ・ノワール
コノスル・スパークリング
コノスルは白赤ワインだけでなく、1000円台のスパークリングも超優秀。ナチュラル・ローソンでも売っていることがあり、まとめ買い必須。
スパークリング・ブリュット
- 生産地:ビオビオ・ヴァレー
- 品種:シャルドネ、ピノ・ノワール
- アルコール度数:12.5%
- 合う料理:寿司、ローストチキン
- 楽天価格:1,234円
タンクで発酵させてから瓶詰めするシャルマン方式で造るスパークリング。世界最南端の葡萄栽培地であるビオビオ・ヴァレーで栽培したシャルドネとピノ・ノワールを使用。レモンのような果実の酸味が強く、キレが強い。そのバランスがいい。1日、2日たって炭酸が抜けても美味しい見事なスパークリング。
ロゼ・スパークリングもおすすめ
2000円台のコノスル・ワイン
2000円台にして1万円のワインを凌駕する高級ワインメーカー泣かせのシリーズ。「コノスル20バレル」「コノスル・シングル・ヴィンヤード」の両翼。
スパークリングの「センティネラ」も加わる。自転車がないコノスルの四天王。
センティネラ・ブリュット・ブラン・ド・ブラン
- 生産地:カサブランカ・ヴァレー
- 品種:シャルドネ100%
- アルコール度数:12.5%
- 合う料理:フライドポテト、ハンバーガー
- 楽天価格:2,581円(税込)
チリ最高級のシャルドネを使い、シャンパーニュ製法で造る「センティネラ」。葡萄園の名前をワイン名にしているブラン・ド・ブラン(白ブドウのみで造ったワイン)。わざわざ5000円以上のスパークリングを買わなくていいほどの美味しさ。瓶詰めして24ヶ月逆さまの状態で二次発酵。泡と果実味が強い。そして余韻が長い。しかし、嫌な後味がまったくない。ブラインドでシャンパーニュと言えば多くの人が信じる。
シングル・ヴィンヤード
コノスル・シングル・ヴィンヤードのシリーズは、単一葡萄品種を単一区画で栽培した葡萄から造ったワイン。余計な雑味がなく、葡萄品種の個性を表現できるコノスルの真骨頂。赤ワイン6種、白ワイン2種の合計8種がある。価格は2500円超え。「カリニャン」などの珍しい葡萄品種もある。
ピノ・ノワール
- 生産地:サンアントニオ・ヴァレー
- 品種:ピノ・ノワール100%
- アルコール度数:14%
- 合う料理:すき焼き、焼き鳥、ペペロンチーノ
- 楽天価格:2,310円(税込)
甘美。タンニンの渋みが少なくスーパーチャーミング。とにかく余韻が永い。1000円以下のピノ・ノワールとは1ランクも2ランクも上。主演女優と助演女優くらい違う。サンアントニオ・ヴァレーの中でも海まで15kmと近い第21区画で栽培され、葡萄は鮮やかに色づき、力強く豊かな香りと凝縮感を生む。
20バレル・リミテッド・エディション
安旨ワインのコノスルのラスボスが「20バレル」シリーズ。厳選した最良の20樽(バレル)のみを瓶詰めしたコノスルのプレミアムワイン。赤ワイン5種類、白ワイン2種類の7品種がある。
シャルドネ
- 生産地:カサブランカ・ヴァレー
- 葡萄品種:シャルドネ100%
- 栓:コルク
- アルコール度数:13.5%
- 合う料理:しゃぶしゃぶ、鶏の唐揚げ、カマンベールチーズ
- 楽天価格:2,888円(税込)
甘くてスーパーフルーティー。強くて美しい酸。コノスルは1000円以下のものでもシャルドネが優秀だが、その中でも圧倒的に一番おいしい。3日目にはハチミツのような甘さが広がり美味しさが持続。クリーンな酸味は健在の銘酒。カサブランカ・ヴァレーの中でも最も海寄りのエル・センティネラ農園の斜面中腹部に位置する最良の区画のシャルドネのみを使用している。
コノスルおすすめランキング
- ゲヴュルツトラミネール(ビシクレタ・レゼルバ)
- シャルドネ(20バレル)
- スパークリング・ブリュット
- ピノ・ノワール(シングル・ヴィンヤード)
- カベルネ・ソーヴィニヨン(レゼルバ・エスペシャル)
- シャルドネ(コノスル・オーガニック)
- ピノ・ノワール(ビシクレタ・レゼルバ)
千円以下にして驚異の美味しさから1位は800円台のゲヴュルツトラミネールを選出。コノスルはピノ・ノワール、スパークリングがおすすめ。
おまけ:コノスルの高級ワイン
コノスルは1000円以下や2000円台の安旨ワインの盟主だが、1万円前後の高級ワインもある。チリワインの特徴はカリフォルニアと比較するとピーマンのような青臭い香り「ピラジン」が少し残る。ここがチリとカリフォルニアの違いを分ける。コノスルの最高級ワインもピラジン香はあるが、それを芳香に変えていると日本最高峰のワインテイスターは言う。そこが安旨ワインとの違い。
コノスル・オシオ・ピノ・ノワール
- 生産地(テロワール):カサブランカ・ヴァレー
- 品種:ピノ・ノワール
チリNo.1ピノ・ノワールを目指してブルゴーニュのドメーヌ・ジャック・プリュールのマルタン・プリュール氏の協力のもと造られたウルトラ・プレミアム・ワイン。カサブランカヴァレーで収穫したピノ・ノワールをフレンチオーク100%新樽で14ヶ月熟成している。オシオはスペイン語で「休暇」の意味。一度、飲んでみたい高級ワイン。
コノスル・シレンシオ・カベルネ・ソーヴィニヨン
- 生産地(テロワール):マイポ・ヴァレー
- 品種:カべルネ・ソーヴィニヨン
年間生産本数3,000本前後と希少なウルトラ・プレミアム・ワイン。コノスルの最上級カベルネ・ソーヴィニヨン。アルト・マイポの高樹齢葡萄を使用し、22ヶ月フレンチオーク樽熟成後、2年の瓶熟成後に出荷する手間。味わいの深みが更に増すまで瓶熟させて仕上げた逸品で1万円以上する。シレンシオは「静寂」の意味で、言葉を失う程のクオリティの意味で名付けられた。
日本を代表するワインテイスターたちも大絶賛。カリフォルニアの有名高級ワインと間違えた。コノスルを極めたら飲みたいラスボス。
チリワインの代名詞「アルパカ」シリーズ解説