ワインの聖書

葡萄酒という神の雫への巡礼。家の飲みホームワイン。孤高のワインを届けます。

成城石井 シャルドネ缶ワイン〜冷蔵庫から始まる、静かな地中海、ブラインドで高級ワインに化ける

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  • 生産者(ドメーヌ):モンデ酒造
  • 国:チリ
  • 生産地:不明
  • 年代(ヴィンテージ):NV
  • 品種:シャルドネ
  • アルコール度数:12.5%
  • 容量:300ml
  • 楽天価格:税込483円

成城石井オリジナルの缶ワイン。清涼感があり、イタリアの温暖な地域を思わせる地中海感。

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通常のサイズにしても1000円を切っているお値打ち価格。ペットボトルになっているので、一度に飲み切る必要はなく、翌日に分けて飲むこともできる。

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加工所は日本と書かれているが、ワインをチリで造って缶詰しているのか、チリから葡萄を輸入して日本で醸造しているかは不明。

いずれにせよ、日本を代表するブラインド・テイスターが3000円〜5000円ほどのミディアムレンジのワインと思った。

 

味わい

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缶を冷蔵庫から取り出した瞬間、指先に伝わるひんやりとした感触が、すでに物語の序章。淡い霧をまとったような白いボディ。そこに描かれたのは、金色のワイングラスがひとつ。成城石井らしい抑制の美学。

グラスに注ぐと、液体は柔らかなレモンイエローの光を放ち、朝の海辺に差し込む地中海の陽射しのように揺れる。

一口含んだ瞬間、まず舌を貫くのは、凛とした酸。攻撃的ではなく、夏の白い風が頬をなでるような清涼感を伴っている。次の瞬間、果実の輪郭がふわりと立ち上がり、フルーティさが静かに広がっていく。

このワインは、シャルドネと名乗りながら、シャルドネという型に自らを閉じ込めない。樽の主張も、バターの甘さもない。その代わりにあるのは、「どんな場面にも身を置ける柔軟さ」。日本を代表するブラインド・テイスターが、思わず3,000円から5,000円のミディアムレンジを想起したのも頷ける。

 

料理とのマリアージュ

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和風ペペロンチーノ、いわゆるカツオぺぺでは、唐辛子の刺激でざらついた舌の上に、冷たい清流が一気に流れ込む。ヒリつきは洗い流され、代わりに旨味だけが残る。その瞬間、ワインもパスタも、一段階上の次元へと引き上げられる。

ハンバーグと合わせれば、肉汁やデミグラスの濃度に抗うことなく、すべてを受け止め、静かに整えていく。主役になろうとしない。しかし、舞台全体を美しくする存在。熟練の指揮者のようだ。

 

プロの評価

ブラインド・テイスティングの日本代表も高評価。家飲みではなく、ワイナリーに行くまでに電車の中で乾杯したいピクニック・ワインと表現。窓の外に流れる景色を眺めながら、そっとプルタブを開けて乾杯する。そんな自由で、少しだけ背徳的な時間にこそ、この缶は真価を発揮する。

 

加工所(ドメーヌ)

加工を手がけるモンデ酒造は山梨県笛吹市にあるワイナリー。1952年(昭和27年)の創業と歴史があり、 近年は缶ワインを世の中に浸透させる努力をしている。自社畑で栽培したキュベは「牧丘畑メルロ」と「豊富畑ヤマソービニオン」や、長野の葡萄を使った「天王原信濃リースリング」などがある。