
- 生産者(ドメーヌ):モーゼルユンガー
- 国:ドイツ
- 生産地:モーゼル
- 年代(ヴィンテージ):2021年
- 葡萄:リースリング100%
- 栓:スクリューキャップ
- アルコール度数:11%
- 熟成:ステンレスタンク3ヵ月間
- 楽天価格:2,508円
ファミマで1000円台で売っている至高のリースリング。千円台のワインの最高峰。あまりに飲みやすく、あまりに美味しい。お酒に強くないのに一晩で一本、軽く空にできてしまう。ブラインドで出せば5,000円以上の値段がつくに違いないクオリティ。
味わい

柑橘の爽やかなアタック。鼻腔をくすぐるペトロール香。雨上がりのドイツ・モーゼル地方の急斜面を、一歩一歩確かに登っていくかのよう。ラベルに描かれたクライマーたちの姿は、まさにこのワインの魂を象徴している。
舌に触れた瞬間、酸は穏やかで、果実味がゆっくりと、確実に広がっていく。まろやかでクリーミー。どこまでも優しく、それでいて凛とした芯のある味わい。甘くも辛くもない、絶妙の“やや辛口”が、飲み手の感情を静かにゆさぶる。
「これが……千円台のワイン?」思わずグラスを見つめる。ブラインドで出されたら、5,000円と言われても誰も疑わない。映画『クリフハンガー』のテーマが流れる。
料理とのマリアージュ

- ポトフ◎
- 寿司:○
- チーズ:○
- カルボナーラ:○
- トマトパスタ(ナポリタンも):○
- タコとバジルのサラダ:○
最も最も美しい共演者は、ポトフ。ほろほろと崩れるじゃがいも、やわらかく煮込まれたソーセージの温もりに、リースリングの酸が寄り添う。一口飲むごとに、波紋のような旨みが口内に広がる。

寿司ともよく合う。魚の繊細な旨みに干渉せず、醤油もわさびも、この白は寛容に受け入れる。サーモンやイクラの脂が、ワインの酸で見事に調和する。

カルボナーラも悪くない。パスタはペペロンチーノのほうが合う。


ナポリタンやトマトバターパスタとも相性よし。少し重厚だったリースリングが、急に爽やかイケメンになる。しかし、チャラけない。しっかり地に足がついている。

タコとバジルのサラダ、マカロニサラダもスッキリとした喉越し。リースリングが「風」になる。滑らかに、氷の上を舞うフィギュアスケーターのように、舌の上を抜けていく。
生産者(ドメーヌ)

クリフハンガーはドイツの若手生産者を中心としたモーゼルユンガーという15名の団体の中心の4人(トーマス、アクセル、マルクス、セバスチャン)が共同で造るリースリングワイン。日本に多い甘口のリースリングではなく、しっかりした辛口のリースリング、寒冷地でのピノ・ノワールなど、モーゼルには珍しいタイプのワインを多く造っている。クリフハンガーはシュールリー製法を採用。ワインを酵母や他の固形物(澱)と接触したままに熟成させるロワール地方に伝わる醸造方法で発酵後、タンクの底の澱を取り除く「澱引き」をしないで春まで澱と一緒に熟成させる。爽やかでクリーミーでリッチで複雑な旨味を感じる味わいになる。
生産地(テロワール)

ドイツ西部の全長545キロメートルもの広大なモーゼル川沿いにあるワイン産地。川が運んだ栄養分が葡萄の木を育て、葡萄に個性が生まれる。畑は日当たりのいい急斜面、古樹が深い根を張り、古生代の粘板岩土壌から造られる。漫画『ソムリエ』ではドイツのリースリングは死者も出すほどの急斜面で葡萄を栽培する場面が出てくる。同じ畑でも斜面の場所によって味わいが変わる。斜面上部は火打石の香りが強く、中間の斜面の葡萄はしなやかさと柔らかさが共存し、斜面の底部は粘土質の土壌で果実香に溢れ舌触りが柔らかくなる。まさにクリフハンガーのような場所で作られる。
葡萄(セパージュ)

一言で表せば「高級感のある甘みのある葡萄」がリースリング。極甘口から辛口からスパークリングまで幅広いワイン造りに使われる。重油を思わせるペトロール香があり、果実味とミネラル感が豊かな味わいが特徴。ドイツが世界の60%も生産。アルザスほどではないがミネラルは強く感じ、果実味を含めた複雑さやスケール感がある。
おすすめワイングラス

万能型、白ワイングラス、ボルドーグラスを試したが、白ワイングラスがおすすめ。爽やかさとスッキリ感のバランスがいい。

ボルドーグラスだと香りが遠い。万能型グラスも美味しいが、白ワイングラスに軍配。キレがあるワインなのでスパークリングのフルートグラスも相性よし。
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