ワインの聖書

葡萄酒という神の雫への巡礼。家の飲みホームワイン。孤高のワインを届けます。

スーズ、ピカソが愛した琥珀の苦味

スーズ、フランスのハーブリキュール

スーズ(Suze)はフランス原産のリキュール。主な原材料はゲンチアナ(リンドウ)の根。ノルマンディーやオーヴェルニュ地方の高地に生息し、大きくなるまでに20年かかる。“熟成する根”のスピリッツ。

スーズには消化を促進する効果があるといわれ、フランスでは食前酒としてよく飲まれる。ピカソやダリが愛し、ピカソはスーズの絵も描いている。

パブロ・ピカソ《グラスとSuzeの瓶》  1912年

パブロ・ピカソ《グラスとSuzeの瓶》 1912年

漫画『バーテンダー』第7話「スーズの記憶」に登場。スーズのシャンパーニュ割り、スーズ・ギムレットを作った。リンドウの花言葉は、「君の悲しみに寄り添う」

 

味わい

スーズ、フランスのハーブリキュール

黄金色に満ちた液体をグラスに注いだ瞬間、過去の記憶に触れるような静けさが広がる。最初に来るのは明確な苦味。その苦味は儚く、拒絶ではなく抱擁。人生の苦味を知る者にしか届かない、静かなやさしさ。慰めではない。癒しでもない。ただ、そこに在ることを肯定してくれる。

ストレートは、スーズそのものと向き合うための最良の手段。静かな夜、部屋の明かりを落とし、グラスの縁に唇を寄せるだけで、自分の輪郭が少しずつ戻ってくる。きっと、ピカソもストレートで飲んだのではないか。

飲み方

【番外編】スーズ、フランスのハーブリキュール

ストレート以外の飲み方。漫画『バーテンダー』で登場したスーズのシャンパーニュ割り。シャンパーニュを適量そそいでステア(混ぜる)だけ。炭酸の華やかさがスーズの苦味を解きほぐし、複雑な層を形成する。プロのバーテンダーが作ったら、かなり美味しいだろう。

スーズ、フランスのハーブリキュール、飲み方

夏にはピッタリなのが炭酸割り。スカッとする。

スーズ、フランスのハーブリキュール、飲み方

シャンパーニュではなく、スペインのスパークリング・・カヴァを混ぜても美味しい。ピカソやダリが愛したリキュール。理性と感性の狭間で生きた芸術家たちが、その苦味の中に何を見たのか。リンドウの花言葉「君の悲しみに寄り添う」だった。

スーズは単に飲むためのリキュールではない。 忘れないための、記憶の鍵である。

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