ワインの聖書

葡萄酒という神の雫への巡礼。家の飲みホームワイン。孤高のワインを届けます。

マヴロ・カラヴリティーノ・ロゼ・ナチュール(Mavro Kalavrytino Rosé natur)

マヴロ・カラヴリティーノ・ロゼ・ナチュール(Mavro Kalavrytino Rosé natur)

  • 生産者:テトラミソス
  • 国:ギリシャ
  • 生産地:アノ・ディアコプト
  • 年代(ヴィンテージ):2023年
  • 品種:マヴロ・カラヴリティーノ100%
  • 栓:コルク
  • アルコール度数:12.5%
  • 飲み頃の温度:キンキンに冷やす
  • 合う料理:マカロニサラダ、ペペロンチーノ
  • 販売価格:税込3,421円

東京を離れる送別会で文章教室の先生から頂いたギリシアのロゼワイン。世界でも珍しい葡萄を使い、変人と呼ばれる僕にピッタリ。ギリシャの大地で、名も知られぬ少年が駆け抜けた残像のような、若さと熱量がある太陽のワイン。真夏の少年のように、まっすぐで、照れくさくて、まぶしい。

味わい

マヴロ・カラヴリティーノ・ロゼ・ナチュール(Mavro Kalavrytino Rosé natur)

色はサーモンピンクよりも少し深く、決して重たくはない。ひと口飲めば、果実の輪郭が曖昧なまま、喉奥をすり抜ける。強く主張するわけではない。ただ、じわりと広がる。渋みも苦味も、透明感バツグン。90年代のZARDやDEENのような織田哲郎の爽快感。海岸線を走る風のように軽やかで、心を洗う。

エチケット

ラベルは極めてミニマル。飾らない文字だけが並ぶ。蝋で封じられたキャップが、このワインの個性をそっと守っている。

生産者(ドメーヌ)

テトラミソス,マヴロ・カラヴリティーノ・ロゼ・ナチュール(Mavro Kalavrytino Rosé natur)

テトラミソスは、ギリシャ・ペロポネソス半島北西部のアノ・ディアコプトに1999年に設立されたワイナリー。地元出身のスパノス兄弟と醸造家パナヨティス・パパヤノプロスによって創業され、1997年から畑はオーガニック認定を受けている。肥料にはヤギの糞のみを使用し、「Sense of Place(土地の感覚)」を重んじた自然なワイン造りを行っている。

テロワール(生産地)

ワイナリーが位置するアエヤリアは、古代からブドウ栽培に理想的な場所とされてきたギリシャ屈指のテロワール。畑は標高650~1050mの北向き斜面に広がり、冷涼な気候とミネラル感のある土壌が特徴。絶滅の危機にあった土着品種アグリピオティスを唯一栽培し、伝統と自然を守りながらワイン造りを続けている。

葡萄(セパージュ)

マヴロ・カラヴリティーノ

マヴロ・カラヴリティーノは、「ブラック・オブ・カラヴリタ」とも呼ばれる。

ギリシャ・アハイア地方で古くから栽培されていた希少な土着品種で、一時は絶滅寸前だったが近年になって復活した。果皮は薄く、淡い色調で、赤い果実やスパイスの香りが重なり合う繊細でエレガントな風味を持つ。タンニンは柔らかく、新鮮さが際立つのが特徴。成熟には時間を要し、ボトリティス菌が付きやすい性質がある。単一品種としても造られるが、マヴロダフニなどとブレンドされる。アハイア全体の栽培面積のうち0.2%未満という極めて希少な品種であり、地元テロワールの個性と冷涼気候由来の繊細さを表現する高いポテンシャルを秘めている。

料理とのマリアージュ

マヴロ・カラヴリティーノ・ロゼ・ナチュール(Mavro Kalavrytino Rosé natur)

ギリシア料理と合わせたかったが、そんなんコンビニやスーパーにないので、近いものをチョイス。マカロニサラダは、マヨネーズの柔らかさとワインの透明な渋みが互いを邪魔せず、それぞれの世界を貫く。交わらないからこそ、響き合う。

バジルの香るサラダは、相撲の立ち合いのように真正面からぶつかる。だが、その衝突は不協和音ではない。ぶつかることでこそ生まれる旨味がある。

マヴロ・カラヴリティーノ・ロゼ・ナチュール(Mavro Kalavrytino Rosé natur)

ペペロンチーノも、ロゼに“寄り添う”のではなく、“向き合う”。お互いに自分の良さを守ったまま、食卓という舞台で共演する。

マヴロ・カラヴリティーノ・ロゼ・ナチュール(Mavro Kalavrytino Rosé natur)

中華チャーハン。調和を求めない。それぞれの輪郭を、あえてぼかさない。仲良くすることよりも、自分らしくあることを選んでいる。

マヴロ・カラヴリティーノ・ロゼ・ナチュール(Mavro Kalavrytino Rosé natur)

「別れのためのワイン」ではなく、未来に向かって、まっすぐに伸びる一筋のロゼ。きっとまたいつか、どこかで飲む。

ワインライフを彩るアイテムたち